碧いラフレシアの花 その619 KENちゃんとアメリカツアー | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



KENちゃんは今までギタリストの中村さんには興味がなかった。


長時間ギターを弾きすぎた人の独特のエキセントリックさが苦手だった。




アメリカツアーをしながら、クラブで改めて中村さんのギターに耳を傾けてみた。



黒い長髪を振り乱してギターを弾く中村さんはどこか神がかっているようだった。





中村さんは本当にアメリカでウケていた。


KENちゃんは中村さんの鳴きのギターを聴きながら





ここで

どうして

自分は

こんなことをしているのだろう・・・


と・・・・ふと不思議になった。




中村さんの浮遊感の強いギターソロを聴きながら

急に走馬灯のように自分の人生がフラッシュバックした。


ヤンキーで高校を中退をして

工事現場で働いている時

今の自分くらいの年齢のおじさんのお弁当を買いに行った事。


その後TAKAのやっていたオーディションに、このまま自分は終わりたくないと出かけた朝の日の情景が、急に脳内にフィルムのように巻き起こった。










急に暗い結婚と妻の泣き顔が脳裏に浮かんだ来た。


この間抱いた真帆の姿も急に思い出した。



ドラックでおかしい外人がひとり引きつけを起こしたようにして前列で泡を吹いて倒れた。







中村さんは天才だ。

中村さんはギターゴットなんだ。




今までダサいデブの気難しいギターおたくだと思っていたけど・・・






本当は世界に羽ばたく

金剛石の原石なんだ・・。





アンコールが3回あった。


3回目のアンコールの時


東洋の仙人のような中村さんが


両手をぶらりとして


宙を見て


かすかに笑った。








TAKAとは全く違う



真のアーティストだとKENちゃんは思った。