KENちゃんの奥さんの簿記専門学校通いが始まった。
奥さんが午前中だけ授業に出ている間に、奥さんのお母さんがKENちゃんのマンションで子供の面倒を見ることになった。
奥さんももう29歳になっていた。
愛のない結婚の後に無職で出戻りというのも嫌だった。
奥さんの実家も、浮気ばかりして娘を蹴ったロッカー婿との結婚なんて、娘が解消しても一向に構わないと思っていた。
ある朝に丁度KENちゃんが出かけるときに奥さんのお母さんがやって来た。
奥さんのお母さんが初めてKENちゃんを見てぎょっとした。
反対されてできちゃった結婚をしたので奥さんの家族とは一度もKENちゃんは会ったことがなかった。
「あら、こんちわ。」
奥さんのお母さんが冷ややかに言った。
娘からこの婿は家にまでファンを引きずりこんで寝るという話を聞いていた。
「あ・・こんにちわ。」
KENちゃんも面倒くさそうに答えた。
奥さんのお母さんはちりめんブラウスを着て段々ぼかしの眼鏡をかけた、普通のそこそこ裕福そうなおばさんだった。
まあ、家の娘が簿記の資格を取った時が・・・
離婚の時よね・・・
奥さんのお母さんはKENちゃんを冷たい目で見ながら思った。