TAKAのツアーは長かった。
1ヵ月が経過した頃、真帆がまたクラブでシャブを購入した。
もう真帆は大麻とビールと風邪薬のちゃんぽんでは物足りなかった。
その頃からTAKAが焦って日に2度くらいツアー先から電話するようになった。
「浮気してないからね。逃げないでね。変な気を起こさないでね。死なないでね。」
TAKAは低姿勢でいたわりの姿勢を示していた。
遠い昔、田中さんと浮気した真帆に激怒して、真帆を借金の肩にKENちゃんに貸し出すと言った、23歳当時の勘違いベース弾きとは違った感じの人になっていた。
一方真帆のほうはどんどん悪くなっていた。
「浮気してないからね。変なの試さないでよ。すぐに帰るからね。」
気がない感じで真帆がうんうんとTAKAの電話を聞いていた。
「全然、聞いてないでしょ?」
TAKAがむっとして言った。
考えて見ればTAKAももうすぐ30歳になる・・・。
真帆がぼんやりと昔の事を思い出した。
月日が経つのは恐ろしかった。
真帆がまた不安定になった。
「浮気するなよー。また既婚者の松島みたいなのとかやめてくれよー。」
TAKAが電話の向こうで言った。