真帆が25歳になった。
その頃世間では結婚適齢期の事をクリスマスケーキと言った。
24歳で食べる物で・・・
25歳ではちょっと遅い・・・。
それ以降
大晦日とかは問題外。
真帆のお母さんが気を利かせてケーキを買って来た。
秋の青空が冷たい空気の中で輝いていた。もう10月だった。
「もう、25歳でしょう?式とかいいから結婚しなよ。真帆。お前は料理も駄目だし、家はわけありだし、TAKAちゃんにずっと居てもらおうよ。」
真帆のお母さんが言った。
急に19歳の時にTAKAに完全に無視されて嘆いた
6年前の誕生日を思い出した。
考えて見れば
自分なんかこの間KENちゃんの家に侵入して奥さんに追い出された
ツイてるようなツイてないような
飛び込みグルーピーと
ポジション的には
何も変わらなかった。
ただ6年が経過しただけだった。
「もっと本当に好きな人とか、好きになってくれる人と結婚したい・・。」
真帆がぼやいた。
「それってどういう人?結婚してた新聞社の松島みたいな男?真帆は基本的に男を見る目はないよ。今妥協しないとそのまま下り坂だね。」
お母さんがさばさば言った。
たしかにあんなに大好きだったKENちゃんでさえも
ボロがいっぱい出てきた。
でももう一回
できたら全然違う感じの人と
付き合いたい・・・。
そうどこかで思っていた。
「TAKAちゃんは別に暴れたりしないし、気がいい感じじゃないか・・・。なんだかんだと忙しく働いてるよ。」
お母さんが真帆を説き伏せた。
その日はTAKAは仕事で帰って来なかった。
寝室のスタンドの光の下で大きなダイヤが輝いていた。
急にまた全部を投げ出したくなった。