実に半年ぶりのブログです。

 

私の舞はキャッチフレーズが「凛としてしなやか」、これはずっと変えていません。

特に「しなやか」は私の芸風を代表する言葉だと思っています。

 

そのためか、舞の体験その他で「しなやかに動ける」コツを教えて下さい、というリクエストを

時々頂きます。

折角言って下さるのだからリクエストにお応えしようといろいろ考えていて、ハタと膝はたたきませんでしたが、

気がつきました!!

 

しなやかになるコツは、まず自分のお弟子さんにお伝えしなくては!

そこで、少し前からこんなことを考えています。

「しなやかに動くための7箇条」

 

1.力を抜くこと

これは、舞だけではなく何にでも言えることですが、すごく難しい。

これが出来たら、もう何もお教えすることはありません。🙇

 

2.息を流すこと

わかっているけど、ついつい気がつくと息を止めて、身体が固まっている。

ときどき瞬間息をお腹でとめる表現は必要ですが、それは流れているから有効なこと。

 

3.上半身は広げて上に、下半身は落とし、真ん中の丹田でコントロール

みんな落とすと、舞がしぼんでしまいます

 

4.上下運動はためて滑らかに

滑らかに起こせないのは体幹の筋力と柔軟性不足。

ピッと伸ばすと楽ですが・・・・ それはNG

 

5.関節の全てを動かす

身体の固さと、柔らかく動くことは別です。

 

6.背中とお腹八の字

胸は背中で動かして、お腹はわき腹と鼠径部で動かせます。

 

7.離見する

時間をかけてこれを言いたかったのです!

「離見の見」は世阿弥の言葉だそうで、広くとらえると、己の行い、姿を外側から落ち着いて

見ること、などとも解釈されていますが、私が考えるのは純粋に舞の場面です。

例えば舞っている時、動いている自分は自分側におりますが、見ている自分が外側にいる感覚に

陥ることがあり、それは特有の浮遊感を伴います。

実際には動いている時に外側から見ることは不可能なはずですが、自我が空気に溶けて行って、意識を向けたそこに

自分の目が浮かんでいるようななんとも言えない感覚で、私が地唄舞を始めて間もないころに感じて、

あれ、この感覚はなんだろうと思いました。

私のような未熟な者が申し上げても説得力がないかもしれませんが、この離見の感覚に陥れた時は

誰かにどう見られても動揺せず、あがるなんてこともなく、舞い終わっても気持ちがおちついています。

逆にいつまでも舞っている自分側から抜け出せないときは、最後まで「だめだ、だめだ」とむきになり、

これでもかというぐらい力んで、自分的には大失敗で終わります。

 

さて、この7箇条、できれば紙に書いて稽古場に貼りたいぐらいなのですが、それはご迷惑なので

何らかの形で一門の方々にお伝えしたいと思います。