ブチキレ、とかいって、
最近は、我慢できなくなって、
爆発させることが、
多くなって、話題になることが、
少なくなって、

どうしても、辛抱していかねば
ならなくなってきて、

そういう時代にも入ってきたから、
話題にならなくなったが、

このキレルという言葉に
旧時代の者は、
不思議に思った。

明らかに、高度成長下に生まれたり、
育った者は、

限度がきたら、はっきりとすぐに、
爆発している。

我慢を承知で育った者からすれば、
それは、ひとつの不思議であった。

現代劇も、この間まで
腹が立ったら、
わめきちらし、声が大きなものが
強いみたいなところもあった。

辛抱に、辛抱を重ねた世代の
者からすれば、
腹がたってきたら、
当時の現代劇でも、
「何~?、貴様~!」
と、一旦は、我慢する。
それでも、怒りは、浸透し
それから、爆発するものであった。

シラケ世代とか、乾燥した世の中といっても、
人と人の結びつきは、強かったから、
それゆえ、怒りは、昔は、相当なものだった。

淡白になった分、人は、責任を持たなくなって、
結びつきは、弱くなってきた。

芳香太は、そう思う。