前回、家庭訪問で、息子の担任の先生の
「部活動では、連帯責任も指導しますし」
という言葉にモヤモヤを感じた話をしました。
先に自分なりの結論を書くと、モヤモヤの正体、それは「連帯責任」という言葉からイメージされる負の感情なのだと思います。
部活動における「連帯責任」
甲子園出場を決めた高校が、部員の喫煙騒ぎにより、
出場を辞退したといったニュースがあったなということ。
練習を積み重ね、予選を勝ち抜いてやっとつかんだ甲子園の
切符を、一部の部員の不祥事で失う。
こういうの、ほんと、辛いです。
こういう連帯責任処分というのは、正直、反対です。
ここでいう部員全員の連帯責任処分というのは、
そのチームにとって非常に大事な時期であることをわかっていながら、メンバーの誰かが法に触れるような不祥事を起こしてしまうというような、連帯感のないチームであったことが責められているがゆえの全員処分なのでしょうか?
「未成年の喫煙」という許されない行為に対して、
当事者だけでなく、チーム全体を処分したほうが
抑止力が大きくなるということを狙った全員処分なのでしょうか?
いずれにせよ、不祥事を起こした部員のみの処分で
十分だと思います。
日本は、「個人責任」を原則としているのに、
部活動においては「連帯責任」が適用されることに
合理的な理由はないと思います。
あるクラスの生徒が不祥事を起こした場合に、
クラス全体が自宅謹慎処分を受けるということはないのに、
部活動となると話が違ってくるのはおかしいですし。
「一部の部員の不祥事であっても、ほかの部員全員が厳しく処分されれば、当事者も問題のない他の部員も、両方が二度と同じようなことはしないだろう。それを知った、他の学校の生徒たちにも抑止力が働くだろう」という考え方は、全く教育的ではありません。
部活動は、学校における教育活動の一環だと私はとらえているので、「連帯責任」を「ミスや不祥事の抑止効果」として利用することには、反対です。
たとえば、自分のせいで周りに迷惑をかけてしまったり、
逆に誰かのせいで居残りさせられたりしたら、
マイナスの感情しか生まれません。
ミスしないように気をつけよう、
友達に迷惑をかけないようにがんばろう
というプラスの結果に繋がるはずだと考えるのは、
あまりにも都合のいい解釈だと思います。
もちろん、1人1人がチームの一員としての自覚を持ち、他の選手と支え合うことで、チームの連帯感を育てることは大切です。結果的に、チームの連帯感が、ミスや不祥事の抑止力として働くような指導ならいいと思うのです。
何か問題が起きた時に、部員が協力して改善する手段を考え、
主体的にその問題に取り組むという相互扶助の関係を
築くことができたら理想ですが、
そうなるような指導って、むちゃくちゃ難しいと思います。
難しいからこそ、より安易な「連帯責任」を利用した抑止効果をつかう指導方法がとられがちなのだと思います。
子どもたちの性格はそれぞれです。
フィジカルの発達もメンタルの発達もそれぞれ。
メンタル面があまり強くない場合、叱責や周囲からの圧力、
周囲への引け目の感情は、心理的な追い込みにしかならず、
自尊心を低下させ、結果的に辞めたいという感情に
つながりかねません。
誰かがミスをして、その人を責めたら、
その後ミスがなくなって解決するでしょうか。
ミスしないように頑張ろうって思える子ばかりじゃない。
ミスすることを恐れてさらに消極的なプレーになったり、
責められたくないから部活を辞めたいって思う子だっています。
やはり、モヤモヤの正体、それは「連帯責任」という言葉からイメージされる負の感情なのだと思います。
先生の「連帯責任を指導する」という言葉を、
「自分のミスや問題行動が、周りのみんなに迷惑をかけてしまうからやらないようにしようというような締め付けの指導をする」
とわたしが勝手に解釈したことから生じたモヤモヤ。
実際に、先生に確かめてみなければ、具体的に、どういった指導を指して、連帯責任の指導といったのかわかりません。
部活動では、礼儀作法も教えますよ、と同じぐらいの感覚で
おっしゃったような気もします。
とはいえ、部活動だからと学校に任せっきりにしたり、
内申書に響くかもしれないというような理由で口をつぐむ
のではなく、問題が起きたり、何か指導方法に疑問を感じた時は指導者である顧問の先生と話し合うなど、
親としていつでもフォローできるように、
しっかり見守らなければいけないなと思います。
※補足
調べてみると、2011年に制定された「スポーツ基本法」の前文で「スポーツをすることの権利性」を示唆してあり、「連帯責任」を課すことが、不祥事に関わっていない生徒の「スポーツをする権利」を侵害することになりかねないことから、各種スポーツ協会も「連帯責任」をできる限り課さないようになってきており、学校側による自主的な出場辞退や活動自粛も、特殊な場合を除いてするべきではないという考え方も広まりつつあるようです。
