広島っ子、東京で家を建てる

広島っ子、東京で家を建てる

生まれも育ちも広島。
裏山でオヤツを調達し、遊ぶのは海とドライブ。
マイペースな自由人が東京にヨメに来た。
広島の友達からは「いつ帰ってくるん?」とハナから信用されてない。
でもヨメ子、かーくん(だんなさん)と家を建てるんよ!

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初めての場所に戸惑うかーくん。
住宅展示場のソファにくつろぐヨメ子。
最初のメーカーさんでは、遊ぼうとするヨメ子を見ただけで営業マンは控え室に帰ってしまった。
更に戸惑うかーくん。

その日は寒かった。
12月の初め、ヨメ子はお気に入りの白いダウンを着ていた。
そんな格好で初めての住宅展示場は…暑かった。
エアコンでぽっかぽかにしてあって息苦しい。
「かーくん、帰ろう」
ヨメ子は我慢弱かった。しかし、その展示場を後にしようとして、別のメーカーさんの前で声をかけられた。

「よかったらどうぞー。この前出来たんですよ。」
積極的なおねいさんに誘われ、帰ろうとするヨメ子。あんな暑いのはもうごめんだった。
でも、人の良いかーくんは断れない。
仕方ないのでそこだけ見て帰ることになる。
これこそが運命の出会いだった。

建物に入ると…息苦しくなかったのである。不思議。
ヨメ子は早速キッチンの収納やらを開け閉めして、満足したら帰ろうとしていた。
重ねて言うが、早く帰りたかったのだ。なにせ夕方に差し掛かっていた。遅くなったら、帰りが寒い。早くお家でぬくぬくしたい。

なのに、玄関を上がってリビングでいきなりの足止め。
営業マンに声をかけられた。

この営業マンさん、先代の円楽師匠に雰囲気が似ているので、円楽師匠と呼ぶことにします。

円楽師匠は、終始笑顔だった。
早く帰りたいオーラ丸出しのヨメ子の意地の悪い質問にじゃんじゃん答えてくれた。
そして、ヨメ子は、日がくれた頃にはとっぷりとお家建てたいと思うようになっていたのでした。

「かーくん、不思議。お家建てたくなった」
「うん。たてよっか」

私は、この夜の事を生涯忘れないのではないかと思った。
その会話の内容は次回!