親が足を引っ張るとき② | 塾講師の端くれのつぶやき

塾講師の端くれのつぶやき

塾講師の端くれが、思うことを気ままに綴ります。

「こんなに(私が)大変なら、大学なんて行かなくていいんじゃないか?」


確かに、毎日の塾には送迎が必要だし、夕ご飯の支度やら、他の家事との都合やら、色々とあるだろう。


気持ちは痛いほどわかるし、こういうタイトルにはしたものの、保護者を批判するつもりは毛頭ない。


ただ、こういう話が出るご家庭には、共通した点がある(あくまで、自校舎周辺の話であることは、断っておく)。


その共通点は、保護者の方に大学進学経験が無いということ。「そこまでしないといけないのか?」ということへの理解を得ることが、意外と(?)難しい。


正直、「(経済的、時間的に、)このくらい勉強することが必要。このくらい勉強を優先することが必要。」ということを、経験のない人に、言葉だけで理解してもらうのは無理。


残念なのは、それがまた学力差や地域格差を生むという現実。


そして、そういった保護者と子供が共依存の関係にある場合、話はさらに複雑になる…。


最も可愛そうなのは、「(塾には通わせているのに)そこまでしなくてよい」という保護者の意見と、「このくらい勉強しなければ国立は難しい」という我々からの意見に板挟みになる生徒自身。


保護者との共依存の関係が強いほど、ダブルバインドは強くかかり、身動きがとりづらくなる。


私にできるのは、その子が持っている「こうなりたい」という本能に働きかけ、ひたすらその火種を大きくすることに邁進すること。


そして、生徒自身に考えさせること。うまく行けば、高校生でも、その子のスコトーマを外すことができる。(中学生だと、この部分は変わりやすくもある。)


保護者とのバランスを見ながら、「これくらいでいいよ」という妥協点を探していくのは私の仕事ではない。


だがら、商売には向いていないのかもしれないが…。