今回は、土地の現況測量図と確定測量図の違いがよく分からない人がかなり多いようなので簡単に説明しようと思う。

ところで先に前回のブログの問題の解答を記載しておこう。確か、法務局の筆界特定登記官の決定した土地境界に行政法上の公定力(確定力)があるか?

という問題であったと思うが、正解は、「No!」なので(2)である。ちなみに境界の確定力を持っているのは裁判官のみということになっている。

理由はたぶん、筆界特定で決まった境界であっても不合理、不服があれば裁判で争える余地を残しておくように、敢えて筆界特定には確定力を持たせなかったものと思われる。

それでは本題の現況測量図と確定測量図の違いについて述べようと思う。

簡単に一言で言ってしまえば、現況測量図は我々が目で見た通りに測って作成した図面である。具体的に言えば、ブロック塀の角とか金網フェンスの角とかを図示したものである。ただ実際の境界は見た目とは違っていることが多々あるので、真の境界点を測って図示したものが確定測量図となる。

分かりやすい例えとして我が日本国の測量図を考えてみよう。古くは江戸時代にさかのぼり、伊能忠敬氏が作成したものが有名である。北海道から本州、四国、九州を測量した図面であるがこれは現況測量図である。現代の書店などで売られている地図も現況測量図である。では日本国の確定測量図とはどんなものになるのか? 

それは日本の陸地の外形を描くのではなく。周囲の領海と公海との境界を測り、作成したものとなる。おそらくその図面だけ見たら日本国かどうかわからないだろうと思われる。

以上であるが、果たして現況測量図と境界測量図の違いがお分かり頂けたであろうか?