先日、安倍元総理が凶弾により亡くなられた。私は特に安倍元総理に傾倒しているわけではないが、個人事業主として、年金改革やコロナ給付金等で大変お世話になった。心より哀悼の意を表する次第である。

 以前のブログでも、もしかして書いているかもしれないが、人間は人生の中でどんなに努力しようが絶対に意のままにならぬことが2つある。それは人生のスタートである「出生」と、エンドである「死」である。生まれる時に親を自分で選べるわけでもなく、日時を選べるわけでもなく、気が付いたら生まれて存在している自分を認識するのであり、死ぬ時もまた自分でその態様や時を選べるわけでもない。確実にわかっていることは生きとし生ける者には必ず、例外なく死が訪れると言うことだ。

 今回、安倍元総理が亡くなられた態様であるが、私見で恐縮だが私は必ずしも悪い死に方ではないと思う。病気でだらだら生かされ、病院のベッドという生き地獄の中でのたうちまわりながら死を迎えるより、気が付いたらあの世に行っているという死に方は寧ろ幸福だと言えよう。私が尊敬している新選組の副長土方歳三殿も薩長の銃弾を浴び亡くなられた。およそ歴史に強烈に名を残す人物はこういった死に方をするようである。ただ問題なのは、お二方ともその時期が早過ぎたと思われるのが残念でならない。私も死を迎える時は、死を意識しないで瞬時に死ねたらいいかなと思う。

 ところで話は変わるが、死と関連することは相続ということになる。以前に自筆証書遺言について書かせてもらったと思うが、今回は最も短くて尚且つ有効な自筆証書遺言書を紹介したいと思う。

 例えば、自分の資産を全部愛人に遺贈したい場合、次のようにすれば足りる。

「私の遺産の全部を〇〇子に相続させる。」と一行で済ませ、日付を書き、署名し、押印すればよい。そしてそれを近くの法務局に持っていき、3千何某の手数料を支払えば、しっかり預かってくれる。死後において裁判所の検認手続きも不要である。まぁ、死んだ後のため、遺言執行者の名前くらいは追記しておいた方が無難ではあるが。

 こう書くと、中にはこう反論する人がいるかもしれない。民法には遺留分の記述があり全部を愛人にはあげられないんじゃないの?奥さん子供に半分は残さないといけないんじゃ? 挙句の果てにそんな遺言書は無効でしょとか。(笑)

いやいや、遺言書は完全有効!確かに遺留分の規定っていうのはあるんだけど、よく読んでくれよ、遺留分と言うのはあげなきゃならない義務を規定しているのじゃなくて、請求権を担保しているに過ぎない。昔は遺留分減殺請求権と言ったけど、今は遺留分侵害請求権と言う。

 要は遺留分権利者(奥さんや子供)は後で裁判を起こして自分たちの権利を主張して取り戻すしか方法はないのである。まぁ、面倒でもやるのかな(笑)