35歳の交差点
TUTAYAでレンタルした映画「ジャッキー・ブラウン」を2度観てみた。クエンティン・タランティーノのファンなので、PR映像なども観てみる。監督QTのパム・グリアへの想い。彼女の熱演とそれをフォローするキャスト陣。彼女の往年の作品「Coffy」も観てみないとな。この原作小説ではジャッキー・バークという白人が主役だったそうだ。
音楽が気に行ったので2度観たのだけど、2度観すると気が付くことも多い。この映画、Soulfulな音楽も最高なのだが、車好きじゃないと気が付かないのが、各キャラクターが乗った車のことなんだ。アメリカは車社会だから、ハリウッド映画で車が示す意味というのも結構あるものなんだ。その人の思考と性格と経済力を表すんだ。まあ、日本で言えばBMWとプリウスと言えば想像はつくかな。
この映画の主題歌は「Across 110th Street」(詳細は前の日記を参照)。同名の映画のために作曲されたんだ。イタリアマフィアと黒人ギャングが集めたお金を奪うというストーリー。まだ、観たことが無いけど、JBの中にもそれに関連する描写が出てくる。
JBも、まんまと銃密売商人オデールと警察達をダマして、「(ある意味で)誰のものでも無い」50万ドル(これも前述の映画と関連がある)という大金を手にして、腐った生活から解放されるのだけど、協力者だった保釈屋マックスは一緒に街を去ろうとはしない。
若かりし頃にこの作品を観ても気が付かなかったが、主題歌の「生きるため生きるために何でもやった 悪いことだってやったさ」というように、たとえ人生を切り開いても、110番街を去ることが出来るのはそうそうは居ないのだという現実。そこには仕事と地位と社会があるからなのだろう。
我々はどうだろうか?
35歳の交差点・・・
先日、古い仲間との忘年会で思ったんだ。
20歳代までは親から貰ったルックスで生きる。
30歳代からはイキザマが顔に刻まれる・・・
35歳の交差点・・・
集まった8人にも、イキザマが顔に現れだしていたよ。
土木業界を真面目に生きてきた男の顔。
面白みには欠けてきた感じだが、
イキザマ同様、そこにブレは無く、
芋焼酎のような、仄かな威厳が出てきた。
IT業界を渡ってきた男の顔。
世間への不満と、自信を失いかけている感じだが、
真面目に仕事に取組んできた男は、
デキャンティングしたワインのようにまろやかだ。
精密機械系の業種を渡ってきた男の顔。
お洒落でルックスの良い男なのだが、
女を騙し続けてきたのが顔に出てきた。
どこか、芯が無く気の抜けたコーラのようだ。
自動車業界で難しい研究をしている男の顔。
モデルのように背が高くイイ男なのだが、
安定した会社と家庭で生きているので、
大量生産されたチーズのように味気なさもある。
建機業界の購買で働く男の顔。
童顔の彼は、子供が出来たばかり。
目のギラツキは無くなり、顔に厳しさが無い。
自家製ジンジャーエールのように甘すぎる感じだ。
住宅業界で働く男の顔。
とても知的で自信に溢れる感じだが、
家庭を顧みないで仕事をしてきたからか・・・
ラムコークのように飲み易くて危険な香りを放っていたよ。
医療業界で働く男の顔。
広い視野と深い知識がある男なのだが、
結婚して子供が出来て幸せな彼は、
大量生産されたビールのように飼いならされていた。
目がギラついている男と・・・
目が大人しくなっている男・・・
野生か・・・
家畜か・・・
どっちが幸せなのか、俺なんかにわからない。
でも、この35年間が顔に刻まれているのさ。
みんな、もう110番地から抜けるのは難しいのだろう。
いや、110番街から抜ける必要は無いのかも知れない。
110番街から新しい世界へ行かねばならない使命を持つ俺の顔は、彼らにどう映ったのだろうか?
そんなことを考えながら、映画「ジャッキーブラウン」を観ていたんだ。

