★★★★

 

「ダディトラック/外山薫」
「俺の乳首からおっぱいは出ない/行成薫」
「連絡帳の父/岩井圭也」
「世界で一番ありふれた消失/似鳥鶏」
「息子の進学/石持浅海」
「髪を結ぶ/河邉徹」
「そういう家族がそこにある/カツセマサヒコ」
7人のパパ作家が令和の家族の形を描いた短編集。

どの物語もパパの切なる想いが感じられてとても良かった。

家族の形は千差万別で同じ家族は一つとして存在しない。

相手はこども。
思う様に行かず自分の不甲斐なさに落ち込んだりするパパもいるだろう。

子育てに正解なんてない。
そこに愛があればみんな違ってみんないい。

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★

 

一穂ミチさんの最新刊はファンタジー要素を融合した恋愛ミステリー。

タクシー運転手・青吾の恋人・多実が一泊旅行に出掛けたきり帰って来ない。
警察からの電話で多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭った事を知らされる。

青吾は男の妻だという沙都子と共に真相を求め遠鹿島へ向かった。

閉塞感のある島でのマウンティング。
くだらない男達のせいで犠牲になった人達の事を想うと悔しさで胸が塞がれる。

どこかのタイミングで、なにか少しでも違えば皆の人生が大きく変わっただろう。

ラスト一頁、青吾の後悔に共鳴し切なさで涙が溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★

 

ドキッとするタイトル。
これはもうタイトル勝ち。

日常系ミステリーと言えば新津きよみさん。
短編の名手だけあってどの物語も切れ味抜群。

7話収録の短編集で
「ゲストハウス」
「百万円分の無駄」
「サードライフ」
「十年日記」は別のアンソロジー作品に収録されていたので既読。

他の3話は
「むさしのニューライフ」
「妻が余分」
「ヘアドネーション」

1話目の『むさしのニューライフ』は失くし物を見つけることを得意とする73歳の女性のもう一つの顔に驚愕。

そしてなんと言っても表題作『妻が余分』が面白い。
居場所を失った夫の鮮やかな反撃が痛快。