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読み終えて本を閉じた瞬間、心の中を爽やかな風が吹き抜けていった。
それは春の始まりを告げるような静かで暖かな風だった。
3月31日、年度末のざわめきの中で起きた小さな奇跡。
総合メーカーの本社ビルで働く清掃員・守田と、定年退職を迎える窓際部長・佐和山。
人生を諦めかけていた守田と、社内の出来事で降格人事を食らった佐和山。
不器用でも、真っ直ぐに、実直に働いて来た二人が愛おしくなる。
理不尽なことばかりの毎日でも、明日、何かが変わるかもしれない。
そんな希望を、そっと手渡してくれる物語だった。
この作品に出逢えた事に感謝。





