★★★

 

「週刊文春」2025年1月23日号~2026年1月1・8日号までを収めたエッセイ集。

ルンルンで一躍人気者になった林さんがもう72歳なんて。
時の流れの早さに驚いてしまいます。

37巻目となった本作もマリコ節は健在。

いまやハラスメントの種類も増え、うっかりした発言が炎上につながる時代。
その塩梅を踏まえた毒舌ぶりが痛快だ。

有名人の不倫話から映画『国宝』、高市総理の話まで話題は盛り沢山。
本好きとしては巻末の直木賞裏話が特におもしろかった。

6月で日大理事長を退任した後は、また以前のように小説をどんどん発表してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★

 

「フットブレイク」
「未経験の男」
「我らがDNA」
「ノーメイク鑑定士」
4話収録の短編集。

今回も石田ワールド全開。

一話の「フットブレイク」から一気に引き込まれる。

社屋の工事で社員達は一時的にユニットハウス勤務に。
そこで普段から裸足で過ごす女性が、備品のパイプ椅子での足裏マッサージに目覚める。

この時点で既に面白いが、そこから生まれる周囲の誤解も含めて面白さは更に加速。

表題作も痛快。
取引先の不可解なクレームをきっかけに、主人公は同僚たちのすっぴん調査をする羽目に。

シュールでシニカルなお仕事小説を最後まで満喫した。

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

キャッチーなタイトルに違わず、想像以上の強烈なイヤミス。

元男性アイドル・南田蒼太が、北海道の廃ホテルでめった刺しの遺体となって発見される。
衝撃的な幕開けから、物語は六つの視点を切り替えながら進む。

しかし、語り手が増えても犯人像は一向に輪郭を持たず、浮かび上がるのは、歪んだ承認欲求と狂気ばかりだ。

まさき作品のテーマである“母親の愛”も本作の鍵に。

終盤、真相が明らかになる頃には、空虚を抱えて生きていた南田蒼太よりも、周囲の人間の底なしの欲望のほうがよほど恐ろしいと痛感させられる。

人間の浅ましさに戦慄する読後。