★★★

 

第22回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作品。

大阪で活動する3人組女性地下アイドル「ベイビー★スターライト」のルイ・テルマ・イズミを中心とした犯罪小説。

様々な問題を抱え、不協和音を奏でていた三人が、メンバーのひとりがワンマン社長を殺してしまった事をきっかけに結束力を高めていく。

登場人物も少なく展開も至ってシンプル。
重厚なミステリーを期待して読むと物足りないと思うが、ミステリー初心者の方は十分楽しめると思う。

終盤で明らかになる黒幕のえげつなさに呆然。

アイドルの闇を描いた疾走感溢れる一冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★

 

「隣に座るという運命について/中島京子」
「月下老人/桜庭一樹」
「停止する春/島本理生」
「チャーチャンテン/大島真寿美」
「石を拾う/宮下奈都」
「猫はじっとしていない/角田光代」
六話収録の短編集で文庫オリジナル作品。

タイトルにアジアとあるが台湾メイン。

台湾へはコロナ禍以前に一度だけ行った事があるので、『千と千尋の神隠し』のモデルとなった九份の街並みや、ボリューム満点のマンゴーかき氷を友人とシェアして食べた事を思い出しながら読み進めた。

お目当てだった角田さんの「猫はじっとしていない」はちょっと不思議な読み心地。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

小説紹介クリエイターのけんごさんが厳選した88冊の小説が紹介されている。

「胸が締めつけられる物語」
「背筋が凍る物語」
「言葉を失う物語」
「脳裏に焼きつく物語」
「魂が揺さぶられる物語」の5章で構成されており1小説当たり3ページ程で簡潔に分かりやすく紹介されていた。

88冊中、けんごさんとの共読は四分の一ほど。


共読本の中で私がおススメしたい作品は

『汚れた手をそこで拭かない/芦沢央』

『殺したい子/イ・コンニム』

『正体/染井為人』の3冊。

そして本書を読もうと思ったきっかけの凪良さんとの対談記事がとても興味深かった。