出勤後はいつも通り、仕事をすすめた。
そらはフロアを忙しそうに動き回っている。
『これ終わんなきゃ、そら先輩(自分のこと)は彼氏のところに飛んでいけないんだからね。
みんな協力しようねっ』
若いスタッフはすすんで
そらの仕事を自分たちで振り分けた。
『ありがとう、みんな』
時計を何度も見ては、
一人でニタニタ笑う。
どん!と勢いよく
そらは数冊のファイルを、潤のデスクの上に載せた。
そら『これ、数日分の資料。私がいなくても問題ないわよね?』
潤 『はい、ご苦労様でした。今度は旅先にまで電話しませんから』
そら 『頼むわよ』
潤 『でも、そんなに嬉しいんですか?
彼に会うのが』
そら 『もちろんじゃない』
潤 『彼って、向こうで俳優やってるんですね』
そら 『そんなに有名じゃないけどね(--;)
彼の職業、
潤に話したことあったっけ?』
潤 『昨日ちらっと見た待ち受けの画像、どこかで見かけた記憶があって、ネットで調べたんです』
そら 『あら、暇なのね(笑)』
潤 『彼って、僕に似てません?』
そら 『え、そう??』
潤 『それに気づいて、ちょっと嬉しかったです』
そら 『すてきな思い込みね(笑)』
潤 『いい時間を過ごしてきてくださいね』
そら 『ありがとう。行ってきます✈』
そらは午前中だけ仕事をして
旅の準備をするために
一旦帰宅した。