いつものように
週末は朝から
亮太の部屋。

まず始めるのが、
たまった洗濯物と
部屋の掃除と。

甲斐甲斐しくするつもりは全くなかったけど、
あちこちに散乱した、
脱いだシャツや靴下を
見るに見かねて片付けたのが失敗のもと。

何度か言い聞かせ、
私が来る時間までに
散乱した衣類は
洗濯機に突っ込んで、
使い終わった食器類は
シンクには集めておくぐらいはするようになった。

その間、
亮太は
一年に一本のペースで増えていくギターの手入れを
嬉しそうにしている。

なんでもいいけど、
趣味があるのはいいことだと思う。
私には特にこれといった趣味はないから。

簡単なお昼ごはんを済ませて
片付ける。



『晩御飯、何食べたい?』
亮太に声をかける。

いつのまにか
亮太は着替えている。

『俺、いまから実家帰るわ』

『え?聞いてないよ』

『あれ?
 言ってなかったっけ?
 おやじの同業者の、
 むすめさん紹介してもらうって。
 あれ、今日だから』


『え、今日だったの?』

まあ、今さら
この緩さに
怒る気にもならないが。。
この人と
続いていくなら
こういうことも
想定の範囲内で。


一緒にマンションを出て、
駅まで二人で歩いて
右と左に別れた。



ラーメンでも食べて帰ろう。。。