私の足は
自然に大通りに向かっていた。

重い木のドアを押し開け 
一軒のバーの中を覗きこんだ。

『マスター、。。。来てる?』

カウンター越しにマスター。

『今日はまだ来てないね。
 待ってれば?
 来ない日はないんだから(笑)』

『んだね』


カウンターの一番奥の端っこに陣取る。

私が
『いつもの』というと


『いつもの、って言われても、
 毎回違うのオーダーするから 
 わかんないよ(笑)』


そして、
マスターは、
ものすごく薄めた
カシスオレンジを出してくれた。


間もなくドアが開き、
おまちかねの
人物が入ってきた。

『おつかれ』
マスターが
雅を迎え、
私を指差す。