【複製】3、三陸海岸大津波 | obserのブログ

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静岡県東部より地震予知観測・観察状況を中心に書き込みます。

 昭和三十五年(1960年) チリ津波地震

  

吉村 昭 著

「三陸海岸大津波」より

  

  

昭和三十五年五月二十一日

  

気象庁は

南米チリの大地震をとらえ

  

つづいて二十三日午前四時十五分

 

四度目の地震がきわめて激しい地震であることも観測した

  

  

さらにその地震によって起こった津波が

 

太平洋上に広がり

 

二十三日午後八時五十分頃にはハワイの海岸に襲来

 

六〇名の死者を出したことも承知していた

  

  

しかし、

気象庁では、チリ地震による津波が日本の太平洋岸に

 

来襲するとは考えず、 津波警報も発令しなかった

  

 

津波がのっこのっことやって来た

   

  

五月二十四日午前三時頃

 

大船渡市・・・・漁師・・・

 

異様な現象が起きた

 

潮の流れが急に早くなって、船が沖の方へ引かれ始め

 

しばらくすると上げ潮になって岸の方へ

 

強く引っ張られる潮の動きが、尋常ではなかった

  

  

この津波は、明治二十九年、昭和八年の大津波とは根本的に

 

異なった奇妙な津波だった

   

 

単なる高潮程度と判断・・・・津波とは想像もしなかった

 

地震がなかったからである

  

  

各地で津波を知らせるサイレンが鳴り響いたが

 

どこかで火事でも・・・と思っただけ・・・

  

漁師

「大変な引き潮のあと、水面がモクモクと盛り上がって寄せて来た」

 

「海水がふくれ上がって、のっこ、のっことやって来た」

  

過去の津波とは違っていた

    

 

  

 

今回で終わりますが、

  

9年前の東日本大震災でお亡くなりになった方は  ※10年前

 

関連死の人を含めると、2万2千人以上に上ります

  

大地震による大津波が来るたびに

  

被害は減らない現実はどうにかならないのかと

 

思います

  

  

この書は

 

前兆、被害、救援の様子など

 

体験者からの貴重な証言をもとにしています

  

一読に値すると思います

  

お勧めの本です

  

  

改めてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げます

 

今も故郷に帰れない方々にお見舞い申し上げます