公立図書館 | 自習室.comのブログ

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今回はレンタルソフト店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)による公立図書館の話題です。近年、とてもキレイで使いやすい公立図書館が各地でオープンしています。ただ、どんなに立派な箱物が完成しても、それを運営する側のお役所が経営感覚に疎いため、図書館の利用者数の推移は一定のままでした。図書館では座席が確保できないし、開業時間が短いので有料自習室をご利用されている方も大勢いらっしゃると思います。

ところが今年4月1日、佐賀県武雄市がCCCを公立図書館(武雄市図書館)の指定管理者に選定し、その運営を委託しました。すると、4~6月の来館者数は26万人を超え、前年同期の6万人と比べると4倍以上の人が武雄市図書館を訪れました。

いったい何が変わったのかというと、まず開業時間が大きく変わりました。これまでは年34日間の休館日を設け、開業時間は午前10時から午後6時まででした。これでは平日仕事帰りの方は利用できません。CCCは休館日をなくして年中無休とし、開業時間を午前9時から午後9時までと大幅に延長しました。

また、図書館内にスターバックスを誘致し、蔦屋(つたや)書店も出店しました。iPadを使った30台の検索端末が設置され、蔵書数と職員数を倍増させ、座席数も1.7倍と大幅に増加されました。さらに、貸し出しカードに「Tカード」を利用できるようにし、自動貸出機を通すとポイントが付与されるサービスまで追加されました。

この実績により、被災地である宮城県多賀市でCCCが運営する新図書館が建設されることが決まりました。多賀市は津波の被害により一時1万2000人を超える市民が避難生活を送った被災地ですが、その震災復興のシンボルとしてCCCが運営する新図書館に大きな期待が寄せられています。

CCCによると、新図書館のコンセプトは「人と人がツナガル コミュニティ空間」になるようです。具体的には、1階はリビング、2階は書斎をイメージした空間を作り、カフェやレストランも展開するそうです。建設予定地である現在のJR多賀城駅前は何もない状態ですが、開館予定の2015年夏にどのような図書館が完成するのか。また、震災復興に図書館がどのように役立つのか。完成した暁には、ぜひこの図書館を訪れてみたいです。