以前、Jacoのことについて書いた。ベースの記憶1として。
 

思えば55歳になって初めてベースなるものを触っているが、そういや俺って、元々ベースの音が好きだったのだなぁという記憶を辿る回。

2回目の今回は「Stanley Clarke」だぁ

ぜひ取り上げたいのは、かのバブル絶頂期のバブリーイベント、Live Under The Sky
当時、とてつもなく貧乏学生だった自分が、そんな高尚なイベントに行けるはずもなく、テレビ放送されるのを待ち、録画で(しかも3倍速…要は画質が悪い)ようやくお目にかかれたやつ。

 

…しかし、今はYouTubeで簡単に見られるのよな。
いい時代だね。

 

 

以下実況w
まずは、のっけから
Herbie Hancockが楽しそうにバッキングする。
若干、アオり運転気味w

当時はキーボード担当だったので、このキレ味を真似しようとしたなー。けどまあこんなカッコよくできへんわw

続いてWayne Shorterが入ってくる。

お馴染みの主題に会場は盛り上がる!
 

悪口言うつもりはないけど、Wayne Shorterは何となく、シンプルなラインのソロ。でも、たいしたフレーズ吹いてないように見えて、確実に盛り上げてくる。
後で聞くところによると、この日、熱もあって、体調があまり良くない状態での参加だったとか。真偽は定かでないが。
 

ただ、そう考えて見るとすごいね。


そのバックを支えるのがStanley ClarkeとOmar Hakim。Omar Hakimはこれより前からStingのバックで叩いてたので当時から印象は強かった。

でも当時Stanley Clarkeは全然知らんかった。
坊ちゃんみたいな顔しとんなぁ、と思ってたぐらい。

若いよね。

ところがこの人がすごいのだ。


終始スラップ(当時はチョッパーと呼んでいた)で演奏、しっかりリズムを支えながら、アタックの強い低音をぶりぶりさせながら、心地よいポイントで割り込んでくる。

 

 

そしてHerbie Hancockの楽しそうなソロのあと。
 

いよいよお出まし。STANLEY CLARKE の文字が光る。
最近よく聞くような、クッソ早音詰めまくりスラップではない。だが、正確なリズムで、地に足をつけた太い音で、そしてよき勢いで、スラップを噛ませながら、Omar Hakimをアオる。

まあね、早けりゃいいってもんじゃないのだよ。


この時の手元の動きがすごい。

この時のカメラワークが素晴らしいのだ。
映像的にも引き込まれていく。


ベースで和音を奏で、スラップで打楽器のようにアオる。さらにチョーキングで弦がビヨーンとたわむ。なんだこのベースプレイは!


さらにアオるアオる。アオり運転w

しまいにドラムブースに足をかけて、もっと来いやぁとアオり倒す。
危険運転のようなアオリかたw

めっちゃ楽しそう。このカメラワークもすごい。

もう、アオりまくりの顔。うらうらと。

後方には今は亡き、エキスポランドの遊具が映り、懐かしい。なんかこう、現実と非現実が共存しているような絵。

 

そしてアオるだけアオったらさっさと退場。
やめやめやめとばかりに両手でジェスチャー。


Wayne Shorterが「えらい盛り上げたな、お前」とばかりにニタニタつっつく。


一方、アオリ運転されまくったOmar Hakim、ウラウラウラーっと神業炸裂(爆)

よだれ垂らして、白目むいてドラムの鬼と化す。
ここ、学生の時、みんなで「すげ、よだれ出てるやん、白目むいてるやん。すご」と何度も見たところ。


もはやゾーンに入ったようだ。
精神ダイジョブか?とばかりに叩き散らす。


この後ブレイクして、再度主題に戻る。
それに戻り方のリフもめっちゃかっこいい。


ここら辺のカメラワークもすごい。

最後はもう全員が気持ちよさそう。
Wayne Shorterは体調のせいか目がうつろw 最後んとこ、ちょっとリズム滑っちゃったね。

Omar Hakimは子どもみたいに叩いてるというか跳ねてる。

まるで Todd Rundgrenの Bang the Drum all days みたいに。
♪ I don't want to work I want to bang on the drum all day ♪

 

セッションてこんなに楽しいものなんや、そして、ベースってこんなに人の心を高揚させるすごい楽器なんや、と教えてくれた映像。

 

自分の思い出の中で、セッションといえば、これ。
セッションのお手本として、一番に思い浮かぶ映像。

リフとかをよく考えると、即興性というよりは、かなりあらかじめ計算されていたセッションともいえる。
けど、聴衆をここまで盛り上げるんなら計算上等。いいセッションだとおもう。

そしてその中心的役割を果たしたのは、
まさにベースだった。ということで。