ほぼ見た目だけで購入した人生初ベース。
そもそもベース初心者にして、いきなりのフレットレス、ピエゾとはなんぞ?ぐらいのレベルで買ったので、レビューも何もできようがなかった。まあ今もそうだけど。
ともかく今の段階で、偉そうに音質ガーとか演奏感ガーなんて言えようはずもない。何も知らんのだから。
ただ、毎日毎日触って、毎日楽しんでいるので、なんか一言いい添えたくなっただけ。
とっても気に入っているので、その辺のレビューをば。
- 軽量
なんといってもまず持って「軽い」。初めて持ったとき思わず「かるっ」と声が出た。
いわゆるセミホロウボディという、中空構造になっているため。この構造がコントラバスのような深みの音を発してくれるらしい。
ちなみに、アンプラグド状態で演奏しても目立った胴鳴りはほとんどしない。音は全て電気信号を通して表現される。なので、楽器禁止のマンションでも生音がうるさいんじゃないかという心配はない。
とにかく、この軽さは五十肩の身にはとてもありがたく、持ち歩きもしやすい。
ボディバランスもいいと思う。ちょうど右腕を乗せるところが斜めに切り欠いてあるので、そこと太もも、身体でしっかり固定できる。その分左手が自由になる。しかもそれがボディのアクセントになっていて、美しい。
先般、教室で先生が調整してくださってからは、本当に弾きやすい。ちょっと押さえるだけで音が出てくれる。調整って大事やなぁ。
問題はまだ左手のポジションが固まっていないので、おかしな押さえ方をしたり、力が抜けきらなかったりするところ。問題は身体!
強いてしんどいところ、と言えば、そのデザイン性から、右手の親指を置くところがない(ピックアップがない)けれど、それはこれから練習でカバーしたい。
- 華奢
関西弁で言うと「シュッとしとる」。
一目惚れで買ったほどだ。美しい。個人の好みなのだけれど、飾っておいても惚れ惚れとする。どっちかというと、女性的な線の細い美しさを感じる。だから毎日構いたくなる。見た目に好きってかなり重要だと思う。
美しさのポイントは、なんといっても片方だけ刻まれたFホール。
これ、マン・レイの作品「アングルのバイオリン」のよう。それが「片方だけ」というのがまたいい。
ネックも細めで握りやすい。ネットのレビューなどでは、それが嫌という人もいるみたい。
俺としてはそうかな〜弾きやすいやん、と思っている。
あと、指板の目盛りはかなり控えめ。これまた人によっては、フレットレスは指板に目盛りも何もないのがカッコええねん、という人もいるらしい。
俺はそこまでマゾではないので、控えめにちょっと線がある方がいい。たすかる。日頃の練習にはちょうどいいやん。
- 音が好き
もうね、これが一番かも。そもそも好きでフレットレスが好きでベースを志したのだから、この音はドンピシャだった。
ぶわぁんという、やわらかい、独特の音。甘いピッチ感。出音から減衰まで、思わずため息が出そうな美しさ。ゆえに毎日演奏したくなる。シンセと違って「ああ本物の音やなぁ」と聞き惚れている。
早いパッセージは向かないかもしれない。
けれど、まず触れてみたかったのがこの「音」なのだ。
どうもセミホロウボディだけではなく、ピエゾというピックアップに特徴があるらしい。そういう機械的な違いはよくわからん。
- 演奏のしやすさ
1・2と被るが、軽量で持ちやすいため、演奏がしやすい。もう若くないのでエフェクターばちばち繋いでぶりぶりのプレイをしたいわけじゃない(ファンク系やスラップへの憧れはまだあるけど)。
3とも被るが、揺らぎを持った深みのある音が、落ち着きを与えてくれるので、チルな味わいが。仕事で疲れた精神には一種の癒しにもなり、かつ、下手な自分のプレイを支えてくれる。
上手くなった気になる。ただ、アホみたいにピッチがずれると興ざめ。よってごまかしはきかない。楽しさと厳しさが共存してる。
- 結局好きな楽器が一番
あれこれ書いたけど、たいしてベースの知識も経験もあるわけじゃなし。
要は好き。
そもそも「一目惚れ」だったのだから。
なお、関西弁ネイティブとしては「好きやねん」は発音としておかしい。少し照れくさそうに「すっきゃねん」という。
老いらくの恋?そんな「好き」がここに詰まっている。
かつて経験したキーボードは、無骨で機械的で、男性めいていた。ドラムはひたすら相手をドツくのだから、極めて男性的。しかも電気機器の場合、古くなって故障して、修理を続けたとしても、いずれ最後は、さようならしなければならなくなる。
でもベースやギターって大事に使えば、自分の一生よりも永く残ってくれる楽器。相棒であり、妻であり。
入手価格はそんなに高くなくて、10万程度で入手できた。
そこは値段じゃないよね〜。
これで一生楽しめるんなら、お買い得じゃぁ、あーりませんか。