11月8日(土) 国立能楽堂
解説 「生命の泉の物語」 宮本圭造(法政大能楽研究所長)
狂言『禰宜山伏』(和泉流 野村万蔵家)
シテ(山伏)小笠原由祠 アド(禰宜)能村晶人 小アド(茶屋)山下浩一郎
子方(大黒天)山下凛一郎
(休憩)
能『養老』(金春流)
シテ(老人 山神)髙橋忍 ツレ(男)中村昌弘 ワキ(勅使)福王知登
アイ(山の神)吉住講
笛:野口亮 小鼓:幸信吾 大鼓:安福光雄 太鼓:吉谷潔
地頭:辻井八郎(金春安明から交代)
面:前シテ「小牛尉」 後シテ「邯鄲男」
最近、合わない気がしている金春流。でも、このまま放置もできないし、なんとか親しまなくちゃ、と。
会場には、制服の女子高生が沢山。団体鑑賞。大人しく鑑賞していました。良きことかな。どこの女子校だろうか。
だが、それにしても、やや空席が。団体鑑賞なければ、どんなに空席が目立ったのだろうか。
まず、前回で発見したレストランの鹿児島ラーメンを食す。1,000円。マズくはないけど、もう良いな。
狂言『禰宜山伏』。禰宜という神職と、山伏という、仏教の中でも荒っぽい仏職の、争い。
というか、一方的な山伏のいちゃもん付け。なんとか争いを避けたい神職と、間に立つ茶屋。
大黒天に気に入られた方が勝ちという勝負に挑む。
当然、神職禰宜の勝ち。大黒天を務めるのは子方で、可愛い。
山伏をからかうのか、神職や茶屋という常識人を誉めるモノか。
万蔵師が、後見で出てきていて、見たところ、健康そう。復活かな。
能『養老』、3回目。
初回は、2018年11月、横浜能楽堂、能を知る会で、観世流。間狂言が面白かったと。
2回目は、2024年6月、国立能楽堂で、宝生流。大した感動はしていなかったらしい。
今回は、金春流。
ストーリーは、養老の水・酒をたたるモノで、とにかくお目出たいという脇能。世阿弥作。
前場は、眠くなってしまった。だけど、今まで違和感何ぞも抱いてしまっていた金春の節付けは、そんなに気にならない。でも、やはり良い感じにはなれない。
地頭の金春安明さんが、1952年生まれなのだけど、ボクより一つ年上なのだけど、「療養により休演」と発表されていた。ムムム。
間狂言が珍しくて、狂言方のアイが「三段ノ舞」を舞う。能の中ノ舞は通常五段ノ舞らしいが、それを三段に短縮した。しかも、狂言方が舞うのは、祝言性を強調した舞らしい。
所見かも知れないけど、良かった。世阿弥作の能『養老』は、間狂言に色々工夫があるのかも知れない。2018年11月の『養老』のブログ参照して下さい。
山本東次郎師著の「新編狂言のことだま」には、そのⅠとして「能と狂言」の章があって、世阿弥の狂言に対する期待や、分化、訓練、舞や謡の相違、演技の違いなどに関する記述がある。
必読の文献だと思う。
後場は、美しい舞が続く。神舞、キリの舞。髙橋忍師は、きちんと舞っていました。舞は、金春、悪くないどころか、宜しいと思います。
キリの舞は、仲間が仕舞として扱う部分で、知っているのだけど、金春の地謡と舞の形は、ちょっと違うよう。ワタクシは、観世流梅若。
鑑賞している最中は、そんなモノだなあ、なんて拝見していたけど、よく思い出したり、研究してみると、良かったんじゃないかな、と感じる。
事前に、ここまで学習できれば、もっと楽しいと思うが。
番数をこなしすぎか。
中庭の様子は、3日前と変わらず。