12月19日(金) 国立能楽堂
狂言『胸突』(和泉流 三宅家)
 シテ(借り手)高澤祐介 アド(貸し手)前田晃一
(休憩)
能『自然居士』−古式(観世流 九皐会)
 シテ(自然居士)観世喜正 小方(童女)小島史織 ワキ(人商人)宝生常三
 アイ(門前の者)内藤連
 笛:竹市学 小鼓:成田達志 大鼓:柿原弘和
 地頭:永島充 面:シテ「喝食」洞水作

今月は、3日に予定していた『江口』を、お稽古の関係で行けず仕舞いになってしまったので、初能楽鑑賞となる。
ワタクシは、あぜくら会の先行販売でネットチケット購入しているのだけど、いつもは数日後に「ご来場ありがとうございました」的なメッセージが届くのだが、今月3日の分は届かなかった。チケットもぎりで確認しているのだろうか。

狂言『胸突』は、初めてと思う。

年末恒例の借金取りの話。元々貸し手の力が強いはず。装束もアド貸し手は長袴に腰の小刀、お扇子、シテ借り手は太郎冠者型。


それが取立時に、つい暴力をふるってしまう。これが曲名の「胸突」行動。
正当な取立行為でも、力の行使は、強盗になりうるのは現代でも同じ。
そこで立場が逆転というお話。
昔の消費者金融の取立との戦いを思い出す。暴力暴言があればこっちの勝ち。

能『自然居士』は4回目。前回の2025年3月の「三人の会」も古式の小書きだった。シテ自然居士の説法場面が加わり、詩章は難しくなるけど、全体の曲の意味は分かりやすくなる。

複式夢幻能ではなくて、場所が、京の東山から滋賀大津に、中入もなくあっという間に移動する。上手く橋懸かりを利用する。ワキもアイも動き回る。観阿弥作なのです。


その後の、中ノ舞、クセ舞、簓舞、羯鼓舞と続く芸尽くしが素晴らしい。。観世喜正師は、ぶれずに。
楽しい曲です。

中庭は、すっかり冬景色。ミヤギノハギが刈られていた。暗くてよく見えなかったが、カエデは綺麗に紅葉。