9月3日(水) 国立能楽堂
狂言『才宝』(和泉流 野村万蔵家)
シテ(祖父=才宝)野村萬 アド(孫)野村万之丞、拳之介、眞之介
後見―野村万蔵
笛-松田弘之 小鼓-田邉恭資 大鼓―大倉慶之助 太鼓―中田弘美
(休憩)
能『玄象』(観世流 鐵仙会)
シテ(漁翁 村上天皇)片山九郎右衛門 前ツレ(姥=梨壺女御)分林道治
後ツレ(龍神)長山圭三 ツレ(藤原師長)観世淳夫 ワキ(従者)宝生欣哉
アイ(大龍王の拳属)河野祐紀
笛―松田弘之 小鼓-大倉源次郎 大鼓―山本哲也 太鼓―中田弘美
後見―味方玄 地頭-観世鐵之丞
面―前シテ「笑尉」 後シテ「中将」 前ツレ「姥」 後ツレ「黒髭」
いよいよ9月で、能のシーズン復活。今月はやたら多い。
第一弾は、1日の社中会だったけど、有料公開公演は初。見所も満員。
狂言『才宝』。才宝とは、長寿の祖父の名前。お目出度い名前。
野村萬、1930生まれ、95歳。
名前をつけて貰う孫は、万之丞他2名で、萬の孫。父親の万蔵は後見で出演。文字通り、一家の3世代。素晴らしいことだ。
なんと言っても萬師。声も所作もしっかりしている。狂言界3巨頭、野村万作、山本東次郎と共に、正しく国宝。
お目出度い。
能『玄象』。他流では『絃上』。
渡来した三つの琵琶の一つ。青山(「経正」に登場する)と獅子丸。どうやら獅子丸は史実ではないらしい。琵琶絃上は、村上天皇の名器。
村上天皇は舞楽に優れた。その妻が前ツレ姥=梨壺女御。
内容は知る。役者が素晴らしい。
シテは片山九郎右衛門。一昨日社中会で大活躍だったのに、この日も大活躍。謡も上手。取り分け後場の早舞。素晴らしい囃子と相まって、見事な。震える感動。
前列の女性は大口開けて寝る。マジかよ。
小鼓の源次郎先生。カッコいい。
いつもは名前を書かないが、今回は明記したい。後見の味方玄師。1966年年生。きびきびした、正確な、無駄のない後見役。シテは安心できるだろうし、見所も安心。完璧に頭に入っているのだ。
味方玄師がシテの能は、必見かもしれない。
一昨日の社中会でも光っていた。
この日の国立能楽堂能楽は、良かった良かった。極めて満足した。
余りにも良かったので、帰りに鰻。チッと奢ってしまいました。