8月15日(金) 横浜にぎわい座
開口一番 柳亭市助 『饅頭怖い』
柳亭市馬 『くしゃみ講釈』
(仲入)
三増紋之助 『江戸曲独楽』
市馬 『猫忠』
調べたら4月8日のさん喬独演会以来の落語。
今回も、夜の部は辛いので、昼の部で聴く価値のあるだろう噺家、ということで、割と最近チケット予約。
開口一番前座は、相変わらず下手で。
市馬のマクラは、長~い。
師匠の先代小さんが、園遊会に招待されたときの話、1980年に紫綬褒章を、1985年に旭日小受賞を受賞し、1995年に人間国宝に認定されたときの話。
ほぼ同年代の五街道雲助が、2023年に人間国宝になり、2025年に旭日小受賞を受賞したときの話。
結局自慢は、自らが2025年に紫綬褒章を受章し、皇居で授与式に参列したときに、同席した雲助ではなくて、市馬が声をかけられたという話。
映画『国宝』が流行ってるこの時に、こういう受賞やら人間国宝やらの話は、受ける。
でも、単なる名誉の話だけではなくして、しっかり「芸」があるのです、彼らには。そして師弟関係はあっても、「家」や「血」の話は、落語会にはさほどないのが良いところ。
林家某とか、多少あるけどね。「芸」が伴わないことが笑いの種になる。
だから、市馬の話は面白くて、良い。江戸落語の真髄。声も、姿勢も粋だ。
江戸曲独楽の紋之助さん。よくあれだけ自分で盛り上げられる。客席から呼んだ○○さんが、また大ノリで上手。
こういう偶然の産物が、寄席風の良きところ。
最後は、歌舞伎にもなっている、というか歌舞伎から取った『猫忠』。三味線の皮の猫。
芝居や、講釈、浪曲など、みんなできるのが市馬。だから、江戸の粋を体現する。
名人だと思うよ。
時々は、名人クラスの落語会に行きたいなあ。雲助、さん喬。権太楼も。昼の部じゃないと辛い。