8月2日(土) 国立能楽堂
おはなし 善竹大二郎
狂言『水掛聟』(和泉流 野村万蔵家)
シテ(舅)野村万蔵 アド(聟)野村眞之介 小アド(妻)小笠原弘晃
(休憩)
素囃子『男舞』
笛:栗林祐輔 小鼓:曽和伊喜夫 大鼓:大倉栄太郎
狂言『蟹山伏』(大蔵流 善竹家)
シテ(山伏)善竹大二郎 アド(強力)善竹十郎 アド(蟹の精)野島信仁
囃子:前同
8月は「能」閑期。ワタクシの造語です。
なので、「◎親子で楽しむ狂言の会」という企画公演に出席。
小学校以下の子ども連れが多い上に、狂言会なので、まったく72爺には不向きなのです。が、こんなワタクシでもチケットを売っていただけたので、暇つぶしに出かけます。
善竹大二郎さんの、完全に子ども向けの解説のお話。
液晶パネルには、「こども」向けの表示もある。
場内は騒がしいけど、まあ宜しいのです。そういう企画だから。
狂言『水掛聟』。我田引水の物語。
アド聟は、野村眞之介さんとの案内だったけど、そうだったかな。交替があったんじゃないかな。余り自信ないけど。
休憩を挟んで、素囃子。
これは、良かった。素囃子を聞いたことはないが、「男舞」で勇壮な感じなので、囃子の人気も高まるんじゃなかろうか。
狂言『蟹山伏』。
お話自体が面白い上に、自信たっぷりのハズなのに、異形の蟹の精を怖がるシテ山伏に、見所も大笑い。
重鎮の善竹十郎師の出演。1944年生まれ、81歳かな。大したモノだ。
そういえば、横浜能楽堂の休館までは、毎月の「狂言堂」には通っていた。
この時は、狂言2番なので、相当数の狂言を拝見したことになる。
それ以来かな、狂言2番。
休憩でも、中庭に出る人は少ない。
暑い日だったけど、室内は寒くて、身体を戻すために中庭散策。ミヤギノハギは益々巨大化していた。
今月のプログラムに、くまざわあかねさんの「自分ごととしての能」という随筆が載っていた。
老いの辛さについて、「自分の記憶を共有してくれる配偶者や友人がまわりからいなくなってしまうこと」ではないか、とあった。
「なにげない記憶や楽しかった思い出が」朽ちていってしまう、記憶が痩せてしまう。
何だか、身につまされた。
思い出の共有、思い出の配当。これができるような老後の人生。妻源病になってしまっているワタクシには、友人が大切。