5月14日(水) 国立能楽堂
狂言『業平餅』(和泉流 野村萬家)
シテ(在原業平)野村万之丞 アド(餅屋)野村万蔵 小アド(娘)炭光太郎
小アド(傘持)野村万禄 その他
笛:槻宅聡 小鼓:住駒匡彦 大鼓:守家由訓
(休憩)
能『右近』(宝生流)
シテ(上﨟 桜葉の神)今井泰行 ワキ(鹿島の神職)御厨誠吾
アイ(所ノ者)能村晶人
笛:槻宅聡 小鼓:住駒匡彦 大鼓:守家由訓 太鼓:麦谷暁夫
地頭:金森秀祥
面:シテ「泣増」(是閑 作) ツレ「小面」
作務衣を卒業。飽きたし、目立ちたくないという心境。
今は、ひっそりと生きたいのです。
作務衣以外に外出着が殆どなくて、困る。
月間特集・在原業平生誕一二〇〇年そのままに、狂言は『業平餅』。
プログラムの段階までアド餅屋が野村萬師だったが、会場案内で野村万蔵師に変更。
1930年生まれ。仕方ないよな、大丈夫かしらと思っていたら、なんとなんと、後見役で萬師登場。シテ在原業平が座る床几(葛桶)を持って出てきた。座っている最中ずっと、押さえていて、シテが立った後、葛桶を持って立ち上がって、下がっていった。
葛桶を抱えて、下に居から立ち上がったんですよ、問題なく見えた。
これだけで感激。萬師のお姿を拝見・発見したとき、小さくアッと叫んでしまいましたよ。
結局、萬師、万蔵師、万之丞兄弟たち、3世代登場で。
和泉流は、エア餅を食べるんだったね。プログラムの解説には、”綿を詰めて作ったモノ”と書いてあったけど、この解説者山縣さんは、流派の違いを良く解っていない。
能『右近』、初見です。
ストーリーは大したことがなくて、京一条大路の北にある北野の馬場(右近の馬場と言うらしい)の桜花を愛でる曲。
前半は、花を手折って良いかどうかの、花問答。わかりにくい。
後半は、桜葉の真ノ精が現れて、舞を舞うというモノ。中ノ舞、破ノ舞と続く。
じゃなんで月間特集にとり上がられたか、それは、前場の桜問答中の詞章にあるという。
そこが、伊勢物語九十九段が素材になっているとのこと。
中将だった男(業平と同定)が、右近の馬場で行われる騎射(引折ーひおり)を見物に行ったとき、向かいの車の御簾からチラリと見えた女性に、和歌を送り、その女が返歌をして、仲良くなっちゃった、という話。
ふむ、業平らしく、ナンパに成功したのでした。
その時の和歌の遣り取り2首が、ワキとシテの詞章に出てくる、だけ。
そんなこと、解る訳ないよね。それとも、当時はそれほど伊勢物語は人口に膾炙していたということか。でも、この曲の主題からは遠いよね。
あまり楽しい、もう一度観たくなる曲ではない。
半分以上寝ていました。
大好きな中庭。前回と違って、晴天なので、ミヤギノハギの葉に露玉はない。
ちょっと手入れが追いつかないか。カタバミや、シダ類の、いわゆる雑草が入り込んで、苔が一部禿げている。それはそれで、景色としては悪くはないけど、維持が大変だね。
やる気が起こらないときは、やらなくて良いと思うことにしよう。やりたくないことは、やらない。
面倒くさい、の何が悪いか。
合いたくない人とは、できるだけ合わないように、避ける。逃げる。妻源病なので。
これが精神安定の良き薬。