4月9日(水) 国立能楽堂
狂言 『腰祈』 (大藏流 宗家)
シテ(祖父)大藏彌右衛門 アド(山伏)大藏章照 アド(太郎冠者)大藏彌太郎
(休憩)
能 『歌占』(金春流)
シテ(渡会何某・神子)山中一馬 子方(幸菊丸)島袋元寿
ワキ(白山麓ノ里人)則久英志
笛:八反田智子 小鼓:森澤勇司 大鼓:柿原光博 地頭:辻井八郎
面:シテ「今若」
5月分のあぜくら会の予約システムが、なかなか繋がらず、やっと繋がったけど、慌てながらイライラしながら出かける。
それもあって予習不足。心が付いていかない。
狂言『腰祈』。山伏の実力が強すぎて(?)、曲がった祖父の腰を治そうとするがうまく行かないストーリー。
アド山伏の章照君、子方ですね、2009年生まれで、まだ10代。慣れていないのだろうが、絶句。父親の太郎冠者彌太郎さんが付けていたが、なかなかうまく行かない。
狂言の絶句って、初めて観た。仕方ないけどね。
後は、寝ました。
能『歌占』、初見なのです。
弓に付けた和歌の籤を引いて、その意味を説き明かすという占い。そういえば、現在の普通の籤にも、和歌が書いてあったり、字が書いてあって、それを解き明かすのでした。
予習が出来ていないので、開始前にプログラムの詞章を読んでみたが、これが日本語なのか(古文なのだけど)と意味がサッパリ解らない。取り分けて、占いの箇所や、地獄の有様を語る部分(クセ)。
余りのわからなさに、液晶パネルの表示を英語にして聞く。すると何となくわかる。難しい詞章なのです。
実は、2023年12月に『歌占』の謡蹟に行ったことがある。「歌占の滝」というところで、小さな滝がある。
でも、そんな滝は詞章のどこを読んでも出て来ない。
金春流だからかな。
たまたま白山ヒメ神社に行ったとき、近くに謡蹟があるって行っただけなんだけど。
その写真を見ると、「この滝の上に住吉宮があって、そこに歌で占う神官がいて、里人の間ではよく当たると評判であった」との”謡曲史跡保存会”の看板。
2024年1月のブログにもちょっと書いてある。
そんなこともあって、ちょこっと楽しみにしていたのに、残念でした。
こちらの子方(2013年生まれ)も、背中がピシッとしていないし、緊張感や一生懸命さが伝わらずに、残念の上塗り。
仕方ないけど。
シテの山中さんの舞い、地獄舞というのか、は上手でした。
相変わらず金春流の節付けがワタクシには無理って感じ。聞き込まねばならぬか。
しかし、もしこの『歌占』を最初の能拝見としていたら、きっと、お能自体が嫌いになったかなあ、と思います。
世阿弥の息子の元雅作らしいが。
大好きな中庭は、少し芽吹きが始まったようで、初春って感じ。良し。