3月25日(火) 三井記念美術館

 

とても暖かい、というか暑い日。三井記念美術館には2回目。2度目だとだいぶアクセスはわかるが、やはり東京都心の地下鉄は嫌だ。

気分は落ち込み気味だったが、頑張って出かける。

家から外に出るだけでも、気分的には盛り上がってくる。

黄砂の影響か、いつもはよく見えるはずの丹沢山系がかすんでいる。

 

円空。名前は聞いたことがあって、木の粗彫りの仏像をたくさん彫ったお坊さん、というくらいの知識。飛騨高山地方が多いとか。

 

表題も「円空仏」とあって、仏像を彫ったんだなと思っていたら、神像も多いのだね。権現菩薩像、伊勢大明神像、富士浅間大菩薩像、立山大明神像、熊野権現像、などなど。

神仏習合の時代だから。

木像の裏側に、何の像か墨書されている。見ただけでは、何の像かわからない。

 

有名寺院などにある、重要文化財や国宝クラスの仏像と違って、荒々しい削り跡を残したままのモノで、なんて言うか、民間的、民衆的。

 

ワタシが見た感想だけど、衆生に見せるための仏像ではなくて、円空が自分で彫り上げたいような、彫ることで自分が浄化されるような仏像、神像ではなかろうか。ちょいと、手元で握って、立てかけておくような。

うやうやしく展示開帳する像ではない。

貴族的な像ではない。十二単には合わない。野良仕事着に合う。

お顔つきは、棟方志功の版画を彷彿とさせる。むしろ棟方が円空からインスピレーションでも受けたのかも。

 

どんな僧侶だったのだろうか。作品よりもその人柄に惹かれる。和歌や法華経の知識は十分に持っていたらしい。

万葉集の柿本人麻呂座像もあった。きっちり座って居らず、肩を傾けている。作品としては、これが一番かな。ふ~ん、そういう解釈ね。

 

この辺りに出没したときは、必ず寄る「神田まつや」。こっちも庶民の旨い蕎麦や。楽しく飲んで食って、気分はハイ。