3月16日(日) 梅若能楽学院会館

能『八島』・弓流・素働・那須与市語

連吟『巻絹』

仕舞『善知鳥』、『花筺』クルイ、『重荷』

狂言『茶壺』

能『望月』・白頭

 

寒い、寒い日。気候変動、気温変化で身体がおかしくなる。

完全防寒着で出かける。

 

能『八島』。「八島」と「屋島」合わせて、7回目かな。仕舞でも、よく見るし。

しかも、なんと言っても、去年10月に屋島を訪問し、謡蹟・古跡を歩いたので、その思い出の配当が沢山あって、まったく飽きない。高松旅行3日目のブログ見てください。行ったことがあるところを能で拝見すると、素敵。

 

ツレ漁夫の梅若景英君。良い声だし、はっきりした動きだし、華がある。前場しか出演しないけど、梅若会を支える人材になるのじゃないかな。もっともっと経験を積んで、お稽古して頂いて。

来年度の梅若会定式能でも、9月に、景英君のシテで『胡蝶』が予定されているし、初年には『翁』に出演と記載されている。まさか翁は勤めないだろうが、千歳かな。楽しみと期待。

 

アイ狂言の小書き「那須与市語」、今まで、何回か観ているが、野村萬斎師のが記憶に残る。今回は、その万作の会の内藤連さん、萬斎師の指導をたっぷり受けたと思われて、萬斎師の動き、語りぶりに似て、良かった。汗だくで、長時間間違えることなく語って、良くできました(偉そうに)。記憶に残ります。

 

シテの梅若長左衛門さん、勝修羅能なんだから、もう少しピリ、ピシッと。景英君がシテをしたらどうだっただろうか。まだ経験不足で無理だっただろうけど、そんな空想をしながら。

 

連吟『巻絹』。謡本を持って行っていたので、謡のお稽古に拝聴。最初、どこから始まったか解らず、だったけど、漸く見つけた。

 

仕舞3曲。中堅とベテラン。特にベテランの仕舞は、お稽古している紀彰先生の形とちょっと違うけど、それなりで宜しいのです。勉強になります。

地頭を勤めた山本博通さん、初めてお目にかかるかな。関西の方。梅若会じゃないと思うのだけど。

 

狂言『茶壺』。お茶葉を買ってきて、酒を飲み、往来で寝込むアド男。奪い取ってやろうというシテすっぱ。仲裁に入るアド目代。この3人の遣り取り。

万作師のすっぱ。さすがですね。本来の所有者であるアド男を盗み見しながらの相舞。ちょっとずらして舞う。そのタイミング。

真剣なすっぱで。

 

能『望月』、3回目かな。去年の8月に、石川県能楽堂で拝見している。加賀宝生。その時のブログにストーリーは書いた。初見と書いたけど、昔、喜多流で拝見していたので、3回目で、観世流は初めて。

梅若謡本には「奥伝」とあり、演ずるに難しい曲なのです。

 

前場は語りが多くて、やや眠くなる。シテが直面で、現在物だから難しい語りではないのだけど。

狂言方が、アイだけではなくて出演機会が多く、活躍する。野村裕基さん。

しかも、子方(殺された安田知治の子)の登場も多く、語りだけじゃなくて、舞も舞う。角当美織ちゃん。角当直隆さん(シテ役)の子。角当家3代目。可愛い子で、一か所台詞を間違えて、父親に附けられていたけど、大丈夫。間違えたときに、間違えちゃった言う顔をしなければ良かったのに。そのほかは、ちゃんと出来ているし、可愛いし。

 

地謡の場面があまりないので、残念だったけど、その中でも地頭の紀彰先生は、飛び抜ける。

キリの戦闘シーンになると、声を張りだしていく。その盛り上がり。本望を遂げた後に、一転して緩やかな謡になる。そのリーダーです。

 

附祝言の『千秋楽』。先日の3人の会の時よりもテンポは遅く。

 

帰りもまだ冷たい小雨で。自宅近くで寿司。

 

<役割・面>

能『八島』・弓流・素働・那須与一語り

 シテ(漁翁 義経の霊)梅若長左衛門 ツレ(漁夫)梅若景英

 ワキ(旅僧)福王和幸 アイ(八島の浦人)内藤連

 笛:藤田貴寬 小鼓:大倉源次郎 大鼓:國川純 地頭:小田切康陽

 ツレは直面 シテは?

(休憩)

連吟『巻絹』

 シテ:富田雅子 ワキ:高橋栄子 他

仕舞『善知鳥』 小田切康陽

  『花筺』クルイ 松山隆雄

  『重荷』 角当行雄

     地頭:山本博通

狂言『茶壺』

 シテ(すっぱ)野村万作 アド(男)深田博治 アド(目代)石田幸雄

(休憩)

能『望月』・白頭

 シテ(小沢知房・甲屋亭主)角当直隆 ツレ(安田知治の妻)山中迓晶

 子方(花若 知治の子)角当美織

 ワキ(望月秋長)宝生常三 アイ(秋長の従者)野村裕基

 笛:藤田貴寬 小鼓:観世新九郎 大鼓:柿原弘和 太鼓:小寺真佐人

 地頭:梅若紀彰

 シテは直面 ツレは深井かな?