3月5日(水) 国立能楽堂

狂言『口真似』

能『三山』

 

本日から、役割や面は、後記することにした。

 

狂言「口真似」は、3月1日に拝見したばかり。

やはり、前回は、少々端折っていたんだろう。今回は、ストーリーが良くわかる。

善竹家は、あまり観ないけど、良かったです。

 

能『三山』、初見なのです。

パンフやネットなどでストーリーは事前お勉強したけど、イマイチ良くわからないままに、会場へ。

月初めなので、今月号のプログラムを買って、詞章を読み込んでやっとわかる。あらすじ程度ではわかりにくいが、詞章を読み込むと、良くわかる。

 

奈良の三山(香具山、畝傍山、耳成山)を訪ねるワキ良忍上人。

前シテ女が現れて、三山(みつやま)を一男二女に例える由来を語る。香具山に住む男が、畝傍山の桜子(さくらご)と耳成山の桂子(かつらご)の二人を寵愛していたけど、桜子に引かれるようになり、嫉妬した桂子は、入水してしまった。

池の畔で回向していると、ツレ桜子の亡霊が出てきて、桂子に沸き起こっている桜子に向けた嫉妬の怨みから解放して欲しいと。更に後シテ桂子の亡霊も出てきて、桜子の美貌が妬ましいと、後妻打ちをする。

ツレ桜子は桜の枝を持って登場。衣装も華やか。後シテ桂子は桂の枝を持って登場。衣装も地味系。両者とも、片肌脱いで亡霊仕様。

そして、両者の激しい争い。枝の打ち合い。

最後は、因果の報いもこれまでなり、と悟って、ワキ良忍法師の力によってか、二人とも成仏。

 

女同士の嫉妬合戦。一人は華やかで、一人は淑やか。華やかが勝つが、怨みが残る。

その両女の比較が見どころかな。

男は、結局華やか派が好きなんかな。桜子は「色好み」の女と詞章にある。桂子も「優女」なのだけどね。嫉妬に悲しんで死んでしまう。

朱系統の桜子、緑系統の桂子。その言い争いも激しい。花の桜か、緑の桂か。

装束も対比的だし、面も「曲見」(桂)と「小面」(桜)。

実際の演者は、銕之丞先生(桂)とご子息の淳夫さん(桜)。

 

そんな対比が面白かった。視覚的にも、内容的にも。

 

奈良を舞台にした曲なので、奈良のお菓子などの産物販売があって、ついたくさん買ってしまう。

柿もなか、葛ようかん、あんぽ柿。

最近は、和菓子が良い感じだな。

 

<役割・面>

狂言『口真似』(大蔵流 善竹家)

 シテ(太郎冠者)善竹忠義 アド(主)善竹忠亮 アド(何某)善竹十郎

能『三山』(観世流)

 シテ(女 桂子の亡霊)観世銕之丞 ツレ(桜子の亡霊)観世淳夫 ワキ(良忍上人)宝生常三

 アイ(所の者)大藏彌太郎

 笛:松田弘之 小鼓:飯田清一 大鼓:河村眞之介 地頭:片山九郎右衛門

 面:シテ「曲見」 ツレ「小面」