いずれも今年2024年に新刊になった本。

作者には申し訳ないのだけど、いずれも公立図書館で借りて読む。

 

『憶』

2024年2月発行 春陽堂(どうやらWeb小説を単行本化したらしい)

新刊発行は知っていて、図書館で予約したところ、7月の予約で、なんと10番目。びっくり。

やっと、12月に順番が回ってきて、借りだした。

 

主として出身地新潟での過去(記憶)をたどりながら、現在と交錯する短編小説集。

そういう意味での、私小説かな。

 

『鎌倉幽世八景』

幽世はカクリヨと読む。

2024年10月発行 鳥影社(季刊文科に連載した小説の単行本)

こちらは予約待ち1番で借りられた。

 

鎌倉の、谷戸、切り通しなどを歩き、そこの言霊を呼び出して、現代から過去を振り返る。鎌倉時代のこと。

著者は、鎌倉在住なので、鎌倉を散策しながら、中世を思い測る。

私小説では無くて、地場小説とでも言うべきか。

 

謡と仕舞のお稽古が始まった頃に、お稽古仲間の作品でもあり、初めに『世阿弥最後の花』を読み始めてから、図書館にあるだけの著作を読んできたが、大体過去作は読んできたので、今年の新刊を読んだもの。

 

作風が、過去作と変わっているように思えて、本書のような作風が好き。

とりわけ、神奈川在住の方には、『鎌倉幽世八景』はお勧め。

そうでない方でも、何度かでも鎌倉を散策された方には、知っている場所も取り上げられるので、実風景と雰囲気が解るので、楽しめる。