11月25日(月) 高尾山

 

朝から良い天気、穏やかな。

どっかに出かけたいなあ、と思いつつも、いつも通り我が部屋(長流水庵)に籠もって、さて、明日のお稽古の準備稽古でもしようかと思っていたところに、「高尾山にでも行ったら?」という温かいアドバイスメール。

いや、いや、一人で行くのも何だなあ、と逡巡していた。

でも謡のお稽古を始めてみても、まったく気が乗らない。

そもそも鬱々なのでした。

 

そこで、エイヤッと、厚手のジャンパーを着て、大きめのリュックを背負って、出発。

月曜日だし、空いているんだろうと。

一歩足を家から踏み出すと、段々快調に。

いつもより足も速いし、大体腰も痛くならない。調子が良い。

 

家から高尾山口まで電車で1時間程度の距離で、かつては、それこそ庭のように高尾山に行っていた。

といっても、高尾山が目的ではなくて、そこから奥高尾の景信山方面や、陣馬山、あるいは相模湖の方に降りるという縦走コースの入口だった。

当時は軽装で登ってくる人々を、大丈夫か、という目でみて、こっちはキチンと軽登山靴にゴアテックスも持って、地図も持ってと言う装備で、キチンと歩いた。

そんな時代を過ぎてからは、高尾山は行楽で出かけるだけで、一人じゃない。

 

そんな時代も過ぎて、今回は、一人で、極めて軽装で、フラリと出かける。

紅葉はどんなんかなあ、ケーブルで登ってしまおう、途中でおやつでも食べて、薬王院お詣りして、そばと熱燗で楽しもうか、なんて気楽な気持ち。

 

ところが、行ってみてビックリ。

大混雑なのです。月曜日ですよ。ケーブル乗車に長い列で並びそう。切符を買って、一台で乗れると想像していたのに、大違い。

 

仕方なく、歩いた方が早いと、簡単な1号路を登る。昔は稲荷山コースだったのに。

身体の調子は良くて、軽快に登っていく。早くはないけど、ピッチを合わせて、ふんふん、70爺も満更でもないと。

脚も腰も痛くならない。これは、仕舞のお稽古を毎日のように続けて、下に居からピッと立ち上がる練習を続けているお陰だと、納得。スクワットみたいですからね。

 

上の駅付近まで登っても大丈夫。

下りのケーブルも長い列、天狗焼きも長い列、これにはうんざり。

いつもの蕎麦茶屋で、薬王院参詣前に、とろろ蕎麦、熱燗、味噌おでん。不信心。

 

薬王院までの道も混んでいる。

まだ疲れないので、奥の院、エイヤッと山頂まで。富士山の名所。

 

戻ってきて、帰りはケーブルももう空いているでしょ、乗っていこうと思っていたら、とんでもない、行きより混んでいて、絶対に歩いて下った方が早い。

何気に、下った。これが失敗。結構な急坂でしょ、あそこ。登りは良いけど、下りは脚に来る。

 

温泉にも入らず、飲みもせず、帰宅へ。一人登山のむなしさよ。

 

紅葉は、イマイチだった。考えてみたら高尾は杉であって、広葉樹はあまりない。もっと奥高尾まで行けば綺麗だったとは思う。そのためには、もっと朝早くから、準備をして出かけなくちゃ。

 

思いつきの高尾山だったけど、部屋で引き籠もりよりは、1万倍くらい良かった。

良きアドバイスでした。

 

今年も、諸事情によって、紅葉狩はあまり楽しめそうもない。

ニュースで、大山の紅葉が見事だと。大山に行ったのは、2021年11月末のこと。もう3年も経つんだ。あの頃の方が、腰が痛かったなあ。