11月9日(土) 国立能楽堂

解説 「蟬丸の謎・蟬丸の能」 佐伯真一(青山学院大学教授)

狂言 『寝音曲』 (大藏流 宗家)

 シテ(太郎冠者)大藏教義 アド(主)大藏基誠

(休憩)

能 『蟬丸』・替之型 (観世流 観世会)

 シテ(逆髪)上田拓司 シテ(蟬丸)上田公威 ワキ(藤原清貫)大日方寛

 アイ(博雅三位)大藏彌太郎

 笛:一噌庸二 小鼓:曽和鼓堂 大鼓:佃良勝 地頭:関根知孝

 表:シテ逆髪「増」 シテ蟬丸「蟬丸」

 

今週水曜日に続いて2度目の国立能楽堂。通っている感じ。

 

解説の佐伯先生、やはり大学教授で、つまらない。寝た。自分で楽しんでないと。百人一首の坊主めくりの話。

2首有名で、

「これやこの行くも帰るも別れつつ知るも知らぬも逢坂の関(『後撰和歌集』)

「世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋も果てし無ければ(『新古今和歌集』雑下・1851番)

という紹介は勉強になった。

 

狂言『寝音曲』、久しぶりだ。

謡が好きで、巧いのだけど、主にしょっちゅう命じられたら嫌だと思って、酒がないと謡えないとか、女房の膝枕じゃないと謡えないとか、言い訳して逃げようとするも、条件が満たされて謡う羽目に。

アド主の膝枕中は上手く謡えて、起き上がらされると声が出なくなる工夫をするのだけど、いつの間にか逆になってしまう。

その謡は『放下僧』。調子が良い謡で、乗ってしまうんですね。

わかるわかる。謡曲って、クセとかキリとか、覚えて、良い調子だとつい謡いたくなるんですよ。お稽古しましょうね。

 

能『蟬丸』は、5回目。前回は2023年11月で、大槻能楽堂、やはり替之型で両シテ。蟬丸を紀彰先生、逆髪を観世喜正さんという豪華出演でした。

今回の上田さんは、兄弟で、声質も似ていた。ということは、面を被っているから、謡の声だけだと、一瞬、逆髪か蟬丸か区別がつかない。

巧くやっていましたが、紀彰先生のを観てしまったので、それが基準になってしまって、困ったモノだ。

観世会はあまり馴染みがなく、観世流なのに、地謡や後見もあの人とわからないし、囃子方もあまり馴染みがない。

 

ということで、寝はしなかったが、ふ~ん、ということ。

 

国立能楽堂では、終演後ロビーに、使用面の紹介掲示が出るのだが、そこには「前シテ 増 後シテ 蟬丸」とあった。間違っていますよ。両シテですよ。しかも、逆髪が登場するのは、後場だけですよ。

なんだか、書式のようなモノが入力されてあって、シテ方に何の面ですか、なんて聞いて、”増と蟬丸”なんて教えてもらって、曲の内容なんて確かめもせずに、入力して、掲示したんだろう。

国立能楽堂の職員は、ちょっとレベルがねえ。

以前も、公演チラシの『松風』の紹介文で、在原行平なのに、在原業平と誤印刷して、釈明に追われたことがあった。

今回は、指摘しなかったから、わかんないのかなあ。誰か教えて上げたかなあ。

 

まあまあのお能だったのだけど、最後にガッカリ。

 

大好きな中庭は、数日でそんなに変化が有る訳も無いが、ツワブキの黄色の花の開花数が、増えた。オギノハギは、あんなに成長するんだ。春頃の写真と比べてみた。

12月にならないと紅葉しないかな。千駄ヶ谷駅前通りの銀杏も、まだ全然。