11月6日(水) 国立能楽堂

狂言『仁王』 (和泉流 野村万作家)

 シテ(博奕打)深田博治 アド(何某)野村万作 小アド(参詣人)月崎晴夫

 立衆(参詣人)石田淡朗、ほか

(休憩)

能『白楽天』・鶯蛙 (金剛流)

 シテ(老人 住吉明神)廣田幸稔 ツレ(漁夫)宇髙徳成 ワキ(白楽天)則久英志

 アイ(鶯)野村太一郎 アイ(蛙)内藤連

 笛:一噌幸弘 小鼓:飯田清一 大鼓:河村大 太鼓:中田弘美 地頭:種田道一

 表:前シテ「三光尉」 後シテ「石王尉」

 

今月初の観能。寒くなった。喉が痛い。

 

狂言『仁王』は、なんと初見。まだ狂言で観ていないのがあるんだ。

博奕でスッカラカンになったシテが、友人のアド何某の助言に従って、野で「仁王像」に化けて、貢ぎ物を騙し取ろうという宗教詐欺みたいなモノ。

1回目は成功するが、2回目はバレてしまう。

アド何某の野村万作師、もはや声がよく聞き取れない。残念だけど仕方ない。登場するだけで国宝モノ。

シテ博打打ちが仁王像に化けるのだが、あの楼門の両端にある阿吽の仁王像の姿。阿形では口を開けて、片足を挙げて踏ん張って、動かずにいて、大変。2回目は吽形だけど、同じように大変。

小アド参詣人が、足が悪くてさすらって歩くのを示すが、これも大変。

立衆参詣人の中に、久しぶりに、石田淡朗君がいた。出番は少ないけど、良かったね~。

面白かった。初見の狂言だから、寝なかった。

 

能『白楽天』2回目。初回は2019年9月に喜多流で。

脇能で、真ノ次第で始まり、真ノ一声、真ノ序ノ舞。「真ノ」が付くとどう変わるのか、ワタクシには良く解らないけど、厳かになるのかな。

 

ストーリーは、唐から来た白楽天(白居易)が、日本の知恵を試そうとするが、日本では、漁夫も、草木も和歌を詠む、小書きにより、アイ狂言では、鶯と蛙も登場して、和歌を詠み舞うことができる、十分な国なのですと伝えて、お帰り願うというモノ。漢詩と和歌の対決というか、競い合い。自慢合戦。

アイでは、面を付け、鶯は梅の、蛙はよく見えなかったけど、被りモノ。

 

感動はしなかったな。

シテは上手でしたよ。難しい前場のカタリも、舞が続く後場も。でもね・・

どこが違うんだろうか、と考えるに、場の緊張感かな。キッとする緊張感がないので、拝見しながら、つい他のことを考えてしまう。今晩の夕食どうしようか、とか。買い物はどうしようか、等など。

集中出来ないから、ウトッとする。ほんの一瞬のハズだけど。こちらの体調だけの問題ではないように思います。

今この舞台が一期一会のはずというのは、欲張りすぎか。

 

大好きな、中庭。紅葉はまだ。ススキの穂が出る。ツワブキの黄色の花が数輪開花した、美しい。秋の始まりだ。

 

話題は別だが、梅若楼雪先生が、旭日中綬章。産経新聞にインタビューが載っていた。

 

実に不愉快なことに、アメリカ大統領にトランプが当選とか。下品、粗野、口汚い、人間的にどうなのよ、という人物が、また4年間も、と思うと、ムムム。

アメリカの白人は、ああいうのが好きなんだね。理解出来ぬ。