10月24日(木) サントリー美術館
国立能楽堂にもチラシが置いてあった展覧会。9月18日から11月10日まで。
場所は、東京ミッドタウン六本木のガレリア3階にあるサントリー美術館。
英一蝶没後300年記念の、過去最大の回顧展、らしい。
英一蝶は、元禄年間前後に、江戸を中心に活躍した絵師。狩野派に師事するも、市井の庶民や風景を描く風俗画人。
同時に俳諧もたしなみ、松尾芭蕉とも交流した。
絵師であり俳人である。
そのうち、絵師の部分が展示の圧倒的部分。
初期、八丈島に島流しにされた期間(島一蝶というらしい)、赦免されて帰ってきてから。
それぞれ画風が異なってくるが、風流人であったことは一貫している。
その内容は、見学してください。
国立能楽堂にチラシが置いてあった理由は、能狂言絵も描いていたからかな。
「雑画帖」(ざつがじょう、と読むらしい)の中に、「狂言絵」として説明されていた作品、何の曲か説明もなかったが、見たところでは「花子」ではないかしら。
そのほか、能楽の絵もあったが、説明は書かれていなかった。絵そのモノを見ると、右肩に謡曲名が書いてある。あまり納得出来る絵ではないが、まあそんなモノ。
仏画とかもあり、細密。洒落画も。肩張らない風流人なのです。
中国の荘子の「胡蝶の夢」という説話を画題にした絵もあり、これは面白い。英一蝶という名前の由来になったとのこと。
それは、”夢の中で胡蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも実は夢でみた蝶こそが本来の自分であって今の自分は蝶が見ている夢なのか”という説話で、夢の中の自分が現実か、現実のほうが夢なのか、解らんではないか、同じじゃないか、ということ。
自由人というか・・、良い感じ。「聖人図」だったかな。
東京ミッドタウン、いやはやあまり近寄りたくない場所で。
○○タウンやら○○ヒルズやら、日本語にしろよ。
まあ、日本でも開発した場所には、桜ヶ丘とか、富士見台とか、いい加減な名前を付けることも多かったけど、それでも意味は解るでしょ。
ここは日本じゃ~。
会場に着くまでが一番疲れた。精神的に。ショップやレストランなどが入る“ガレリア”の3階。
ガレリアって、どんな意味か?
調べてみたら、高いガラス屋根を架けた通り抜けの商店街のことらしい。たしかにそういう構造だったな。
それならば、ガラス高屋根商店街って名前にしろって。
貧富の差、格差社会を象徴するよう。
風流人英一蝶の展覧会が、真逆の地で開催されている。
近くに乃木神社があったので、私には合わないけど、覗いてみる。見学だけ。お詣りはしない。
東郷神社とか、明治神宮、靖国神社。軍国主義の象徴であって、決してお詣りはしない。
色々疲れたので、帰りに地元のスーパーで食品を大量に買い込み、いつもの回転寿司で。
こういうのが落ち着く。