9月29日(日) 国立能楽堂
狂言 『鶏聟』 (和泉流 三宅家)
シテ(聟)三宅近成 アド(舅)三宅右近 小アド(太郎冠者)前田晃一
小アド(教え手)三宅右矩
仕舞 『頼政』
シテ(頼政)観世銕之丞
(休憩)
能 『砧』・梓之出 (観世流 銕仙会)
シテ(芦屋某ノ妻ノ霊 芦屋某ノ妻)鵜澤久 ツレ(夕霧)鵜澤光
ワキ(芦屋某)舘田善博 アイ(下人)三宅右近
笛:一噌庸二 小鼓:曽和正博 大鼓:國川純 太鼓:金春惣右衛門
地頭:浅井文義
お能の流派は五流以外にはないという「女流」の鵜澤久さんがシテを勤めるお能があるというので、購入。
実は第24回にも達していたんだ。
知らなかった。
娘の鵜澤光さんとともに、会を作っている。
9月は、これで最後だけど、七番もお能を拝見し、さすがに疲労している。
狂言『鶏聟』は、婿入りに鶏の物真似をするのが当代流行だと教えられて、真似をし、舅も応えてそのまねをする、滑稽婿入りばなし。
安定したお狂言で、安心して、寝てしまった。
本日の出色は、仕舞『頼政』。
ちょうどお稽古の紀彩の会で、仲間が新しく仕舞『頼政』をやることが決まって、まだ、紀彰先生のお手本動画だけしかないのだけど、型付けも見て、とにかく「語り」が多くて、記憶出来るか。
更に、宇治川での平家と源三位頼政(以仁王)との戦いと自害の場面なので、楽しみだったのです。
約1年前の2023年11月に、ブログにも書いてあるけど、宇治川の旅をしていて、その時の興奮が冷めやらず、その頼政と平家との戦いのお能の一部が仕舞になっている。能『頼政』自体は、2021年10月末に一度拝見しただけ。
難しい仕舞だ。銕之丞先生、立派に務めた。長い「語り」も間違えずに、その後の舞も力強く。
能『砧』、4回目。
相変わらず研究不足で、どうしてワキ芦屋某の帰国が遅れると、シテ妻は死んでしまうのだろう。
ツレ夕霧とワキ芦屋某との関係はどうなんだろう。
何しろ今月は様々忙しくて、事前研究が進まず。
しかし、拝見していて、鵜澤久さんも光さんも、いわゆる「女流」であることを意識せずに居られた。逆に言うとお能「砧」に没頭出来たということ。
希有な「女流」なのだろうか。
鵜澤久・光親子は、注目していきたいと思う。「女流」であることは越えている。が、シテ方として一流にまでなるか。
疲労が蓄積し、年齢も重ねて疲労が抜けず、一部意識を失うときがあったのは、こちらの都合と信じる。
来月10月は、紀彰師のおシテが三番もあって、当然いずれも拝見予定なので、このモヤモヤ感が解消されるだろう。