9月15日(日) 梅若能楽学院会館
舞囃子『融』 シテ(源融の霊)高橋栄子
能『経政』
シテ(平経政の霊)鈴木矜子 ワキ(行慶僧都)大日方寛
笛:藤田次郎 小鼓:田邊恭資 大鼓:柿原孝則 地頭:山村庸子
狂言『腹不立』 (大蔵流 山本東次郎家)
シテ(出家)山本泰太郎 アド(施主)若松隆・山本凜太郎
アイ(楚国の里人)山本則重
(休憩)
能『芭蕉』
シテ(里女 芭蕉の精)梅若長左衛門 ワキ(山僧)宝生常三
笛:一噌隆之 小鼓:観世新九郎 大鼓:白坂信行 地頭:山崎正道
まだまだ暑い。大好きなヒグラシの声が聞こえない。
舞囃子『融』。能『融』は3回も観ており、あらすじは解るのだけど、舞囃子がどの部分か解らなかった。
女流。最初のシテ謡が、囃子の音量に負けてしまって聞き取れない。
舞はキチンとしていたと思う。
能『経政』4回目。
ストーリーも解りやすいし、謡のお稽古もしている。
おシテの鈴木矜子さん、拝見したシテは2回目なのだけど、前回は詞章は間違えるは、舞もミスするはで、散々だった。で、今回は如何に、と半分期待、半分リスキーにも思っていた。
今回は、橋掛かりからの登場時点から、お袴の着装具合が、変、妙。これはご本人のせいではなくして、後見らの責任。本舞台に入って舞に入ってからも、様々手直しを行うが、うまく行かず。
おそらく鈴木矜子さんの身体が小さくて、修羅物用、男性用のお袴が大きすぎていて、その着装がうまく行かなかったのだと思う。遂に、後見座に引き下がって、本格的に着装やり直し。
止める訳にも行かないから、後見でもない梅若紀彰師が変わる。黒紋付き袴。扇子は、地謡から借りて。クセ舞の「第一第二の弦な」から交替。カケリの最後まで。
かようなシテ方の交替は、ありうるとは聞いていたが初体験。
ワタクシとしては、紀彰先生の舞が拝見出来て良かったのですが。ちょうど、我が紀彩の会でも仕舞のお稽古をしていた箇所。
地謡も全員女流で、全体的に温和しめだったけど、紀彰先生の舞はさすがに迫力もあって、しっかりとしていて、「差」が歴然としてしまう。
女流8人の地謡は、迫力には欠けるが、声は揃っていて美しくはあった。
今月末に「鵜澤久の会」に行く。シテ方には五流しかない、女流という流派は無いと言い続ける鵜澤久さん。さて・・
狂言『腹不立』。新しく堂を建てたが住持が見つからずに探す2人。たまたま会った出家に頼むが、名前を聞くと「腹たてずの正直坊」と答える。アド達がからかって怒らせようとして、怒ってしまって、面目ない、でお終い。
泰太郎さん、橋掛かりを登場する姿がホントに美しい。あそこまで身体がブレずに、頭の位置が決まるのは泰太郎さんが最高。
能『芭蕉』2回目。
ホントに難しい、難曲。これといったストーリーもないし、謡に盛り上がりもない。淡々と進む2時間。
毎回当日配布される楼雪先生の解説にも、難曲とあり、もう一度舞ってみたい気もあまりしない、と。
長左衛門さん。やはり登場から身体がブレてしまっていて、不安になるが、長時間の舞。ちゃんとしていたのではないか。
シテ謡を何ヶ所か絶句しそうになって、教えてもらっていたけど、覚えられる訳がないよ、という感じ。
この曲を、感動的に舞える能楽師はいるんだろうか。というより、感動を与えるような曲ではないのかも。見所の方でも、一度でもお稽古したりした人でないと、良さが理解出来ないんじゃないだろうか。
前回は、2023年9月。観世流。難曲なのか、名曲なのか。
また、寝てしまった。
疲れた。