7月12日(金) 特別催事atサンライズビル

 

紀彰先生(の奥様)にご紹介を受けて、これまで、丸中株式会社東日本橋支店でお袴と色紋付きを仕立ててきたのだけど、そこから、年に一度の特別催事・本決算・破格の六日間、というご案内を頂いて、そうだな、浴衣でも仕立てようかな、と出かける。

 

というより、先日のNoh meets jazzで、突然連吟に出演することになったときに、色紋付きに袴を履いたのだけど、見所の椅子の手すりに引っかけてしまって、お袴の左腰辺りの糸がほつれてしまった。

当日は、能楽師の先生に応急処置で仮縫いして頂いていたのだけど、きちんと直さねばならぬ、という状態だった。

 

そういえば、お袴も洗っていないし、色紋付きも、別に目立った汚れはないけど、仕立て以来一度も洗っていないから、特別サービスの催事で、洗いもしようか、と。

 

更に、ワタクシはもう5年程昔になるのか、お能のお稽古を始めた頃、なんだか浴衣を着用する必要があって、良く解らないけど、兎に角という事で、隣駅の呉服店に飛び込んで、吊しの浴衣を衝動買いし、それしか浴衣は持っていない。

この浴衣は洗わなくちゃと思っていたけど、購入価格が8000円だったので、洗うよりも新たに購入した方が良いか、とも思っていて、拘りはないのだけど、まあ安ければと思って、特別催事の特別価格で仕立てられるならば、良いか、というレベル。

 

で、雨の中エッチラ出かけた。

まず、洗いの受付のブースに行くと、相当の待ちになる。洗いと言っても、あれこれあるので、実物をチェックしつつ、どういうことにするか決めるのだ。染みもないので、結果的には普通の洗いでOKという事。

お袴も、洗いましょうね、と。

お袴の修理は、やる職人がいるかどうかということでややもめたけど、まあ大丈夫という事で受け付けてもらった。

 

次いで、浴衣生地の特売箇所に行って、男性用浴衣生地を選ぶ。そもそも男性用は少なくて、なかなか思うような柄が見つけられないのだけど、やっと2~3点選んで、鏡の前に移動して、当ててみる。

どうですか、と薦められて選んだ柄に応じて、角帯も薦められる。

 

まあ、何となく選べて、じゃあよろしく、いつ仕上がりますか、なんて時になって、奥の方から着物生地を持ち出してきて、この糸、生地は滅多に手に入らない、エルメスと競争した繭糸と、生地だとか、なんやら強く薦められる。

普通の上代は120万越だけど、特別決算だから大まけします、是非になんてしつこいの。

確かに、良さそうな生地だし、色合いや着心地も良さげだけど、なにしろお高い。

ワタクシの、資金能力を超える。

 

そういえば、色紋付きを仕立てたときも、当初の予定とは別に、今だけしかないですよ、とか言われて羽二重にして、ワタクシにとっては高級品になったのでした。

確かに、その後羽二重は織れなくなっているようで、今は満足しているのですが、当時は清水の舞台飛び降り感覚。

その再来を、呉服店としては期待したのだろうか。

 

やっとこさ、逃げ出して、当初予定の特売モノにとどまった。

 

大体、着物を買うなんて慣れていないし、年金生活者だし、上代に比べれば特別にお安いのだけど、そもそもがお高いのです。

ホントにお着物を仕立てるのは、大変なのですねえ。

なんだか、疲れてしまった。