5月19日(日) 梅若能楽学院会館

能 『源氏供養』

 シテ(里女 紫式部の霊)角当行雄 ワキ(安居院法印)御厨誠吾

 笛:熊本俊太郎 小鼓:飯田清一 大鼓:柿原弘和

 地頭:梅若紀彰

狂言 『左近三郎』 (大蔵流 山本東次郎家)

 シテ(狩人)山本則重 アド(出家)若松隆

仕舞

 『弓八幡』 伶以野陽子

 『田村』キリ 山村庸子

 『杜若』キリ 鈴木矜子

 『浮舟』 三吉徹子

(休憩)

能 『邯鄲』

 シテ(盧生)山中迓晶 子方(夢中の舞童)山中つばめ ワキ(勅使)殿田謙吉

 アイ(宿の女主人)山本則秀 地頭:山崎正道

 

事前に梅若の謡本を入手し、研究して拝見。

梅若定式は、お勉強みたいになっちゃった。

 

『源氏供養』、初めて。

源氏物語を書いた紫式部と光源氏を供養するモノ。往事は、作り話は、嘘、だから、戒に反するという考えもあった。それに反した紫式部は、成仏できるのか。

「源氏物語表白」というのがあって、「源氏物語」のいくつかの巻の名を入れた、お経というか物語というか。

それがほぼそのまま詞章になっている。それなりの源氏物語を知っている人ならば、「桐壺」から「箒木」「空蝉」など巻の名が出てきて解る。

 

そういうのを楽しむお能かな。

 

シテの角当行雄さん、梅若会の重鎮なのだけど、お年なのか、前場で絶句2回、台詞飛ばしも。飛ばしたときは、ワキ方が上手く繋げてくれていた。ちょっと残念。

後場は大きく間違えることはなかった。

 

地頭の紀彰先生は、言わずもがな。しっかりと、きっちりと。

 

狂言『左近三郎』。”さこのさむろう”と読む。

殺生戒を生業とするシテ狩人。たまたま会ったのが禅僧の出家で、五戒をキチンと守るべき僧。が勿論実際は魚も食べるし、妻もいた。争うが、最後は和解。

 

仕舞は、女流ばかりだけど、よく知る仕舞が多くて、お勉強になった。紀彰先生の舞い型、つまりワタクシが正しいとする型とチト違うのですね。

 

最後は、能『邯鄲』。3回目かな。

解りやすい曲。

 

シテの山中迓晶さん、偉そうに言って申し訳ないけど、上手になった。自信を持ってきたような。謡も舞も。所作も。

子方の山中つばめちゃん。声が大きくて宜しい。舞もしっかりと。

山本則秀さんの、鬘姿の女人、見たことがなかった。

地頭が、松山隆雄さんから、山崎正道さんに交替。山崎正道さんの地頭は、紀彰先生と並んで、素晴らしい。

世代交代かな。楼雪先生も退院できないし。

 

体調不良の中、それなりに楽しめ、お勉強になりました。