4月21日(日) 梅若能楽学院会館

能 『弱法師』・盲目之舞

 シテ(俊徳丸)小田切康陽 ワキ(高安通俊)福王和幸 アイ(通俊の供人)高澤祐介

 笛:槻宅聡 小鼓:曽和正博 大鼓:國川純 地頭:松山隆雄

狂言 『酢薑』 (和泉流 三宅家)

 シテ(堺の酢売り)三宅近成 アド(津の薑売り)三宅右矩

仕舞

 『養老』 角田勝美

 『雲雀山』 髙橋栄子

 『網の段』 井上貴美子

 『善知鳥』 山村庸子

     地頭:梅若紀彰

(休憩)

能『舟橋』

 シテ(里の男 その霊)川口晃平 ツレ(里の女 その霊)鷹尾雄紀

 ワキ(山伏)村瀬提 アイ(佐野の里人)前田晃一

 笛:一噌幸弘 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:亀井広忠 太鼓:梶谷英樹

 地頭:梅若紀彰

 

前日の、久良岐能舞台での御稽古会の後、たっぷりと飲み過ぎて、呆然としつつ参加。

次の謡お稽古の謡本『天鼓』を、5冊能楽書林に頼んでおいたので、買いに行かないとならぬ。

また、ponkichiさんがお見えになるというので、お会いできる楽しみもあった。

 

能『弱法師』、知っているようで、能として1番観るのは初めて。

ストーリーは、俊徳丸伝説。讒言によって子を手放したワキ高安通俊。子は盲目となって、弱法師と呼ばれて乞食暮らし。

ワキ通俊が施行をしていると、そこに現れたシテ弱法師、我が子と気づくが、しばらくそのまま。シテ弱法師は、西に向かって日想観など。名所が、ホントは見える。が、盲目者には見えない、ハズ。

暗くなってから声を掛けるワキ通俊、親子と知って、手を取り合って、帰る。

親子別れで、再開できるバージョンの能。

 

小書き「盲目之舞」により、前半の詞章が大幅にカットされる。

盲目故に、アイとぶつかり、転んでしまい、助け起こされるという型もある。

全体的に、シテ弱法師の心象風景に重点を置いたモノ。わかりづらいと言えばわかりづらい。

 

ワタクシは、二日酔い気味で集中出来ないし。

 

狂言『酢薑』は、先月の梅若定式で拝見したばかりの2回目。

”す”と”から”の言葉を使った、洒落合戦。秀句の争い。背景が相変わらず見えないので、そんなに面白くない。

 

仕舞女流4曲。

前日、自ら発表会で仕舞を舞ったので、今回は注視してみられた。しっかり舞っておられた。

地頭が紀彰師で、これは素晴らしい。

 

能『舟橋』、初見。珍しい曲。遠い曲と表現される。

舟橋って、舟をつないで並べて、板などで繋げて橋とするもんなんですね。常識ですか。

それを渡って両岸の男女が密会する。不愉快な親。舟をつなぐ板を外してしまって、そうとは知らぬ男女が、暗闇の中で川に落ちてしまって死んでしまう。

女の方は、割と早く成仏できたが、男は執心の塊となってしまっているものの、ワキ山伏によって最終的には成仏できる。

 

アクションまがいの所作もある。ビックリする。

前半のラブロマンスに重点を置くか、後半のアクションに重点を置くか。

 

当日発表で、地頭が角当行雄先生から紀彰先生へ。

思わず、ヤッタと小声で。

後半は激しい謡もあって、楽しい。素敵。

 

まあ、最終的には、行って良かったのですが、最後まで集中出来ず、消化不良かな。

 

これにて、今月の観能は終了。全部初見ばかりだった。