12月11日(月) 横浜にぎわい座

開口一番 二つ目 柳亭市好 『ちりとてちん』

三三 『加賀の千代』

ゲスト 月亭方正 『しじみ売り』

(仲入)

三三 『居残り佐平治』

 

前日とうって変わって寒い、寒い。もう家から出る気力が無くなっている。寒いし、曇り。晴れていないと心身が不調となる。

それでも、毎月の掛かり付け医の予約診察なので、これは行かねばならぬ。

一番大切なのは、導眠剤。30日分しか処方して貰えない。中毒化していて、これを飲まないと眠れないのだ。

 

医者に引き続いて、にぎわい座の落語チケット、三三の独演会ですね、を買ってある。1ヶ月くらい前に買ったのだ。買ったときには、きっと躁状態で、どうせ横浜に行くんだから、落語も聞こうじゃ無いか、と前向き積極的だったはず。

しかし、この日は、鬱。

朝から、絶対に三三落語はサボる、夕方には家に帰って、楽しく夕飯作って食べるのだ、と決意していたが、いざ、出かけると、イヤ、折角のチケット3200円勿体ないよなあ。とサボる決意すら揺らいでくる。

鬱状態になると、何も決められず、決定事項があれば従い、無ければ自室に籠もることとなる。

 

というわけで、来てしまった落語会、柳家三三。

始まる前に、夕食を取るが、さっきの医師に、血液検査の結果を見せられ、中性脂肪が、一気に極端に上がっているから、揚げ物は食してはならぬ、注意せよと忠告されたのに、季節だからと牡蠣フライを食べてしまう。

で、ますます落ち込む。鬱の悪循環。

 

名前から柳亭市馬の弟子と解る市好は『ちりとてちん』。腐った豆腐を、知らないと言えずに食べてしまう噺。面白い噺なんだけど、つまらん。下手とまでは言わないが、引き込まれない。

 

三三は『加賀の千代』。

年末で払いができない長屋のモノ。ちょっと頭が弱い。女房に言われて、親切で、この男を好きな隠居に金を借りに行く。何度も行くから値切られるに違いないと、倍以上の金子を貸してくれとふっかけるように女房に言われている。

幾らでも貸すよということになってしまい、却って慌てて言い値の半額だけ借りてくる。

その際、「朝顔に釣瓶取られてもらい水」という俳句を告げるのだが、その作者が、加賀の千代。

何度も聴いているけど、やはり、三三は巧いなあ。

ちょっと、来て良かったかなと思い始めている。

 

ゲストは上方落語の月亭方正。

子どもが好きなんです、自分にも11歳の長男が居て、可愛いんですというマクラ。で『しじみ売り』。

実は、この噺、聞いたことが無かったんで、聞きながら、なんだっけとばかり。

母親と病弱の姉のために、寒風吹きすさぶ中で、しじみを採って売る少年。それを知り同情する親分。全部買い上げた上に、小遣いまで渡す。

人情噺ですね。

実は、この小遣いを渡すことが、却って不幸を招くという面もある噺。

今回は、11歳の少年の不孝か、幸福か分からない話に重点を置いていた。後で、調べたんですよ。

噺の内容とか展開が解っていれば、もっと楽しめたかも知れない。

 

トリは三三のネタ出し『居残り佐平治』。これは何度も聴く。品川宿の女郎屋に居残りを決め込む佐平治。佐平治の偽幇間ぶり、にせ若い衆ぶりが面白い、廓話。

そんなに引き込まれはしなかったのは、こっちの精神状態のため。小笑い。

 

三三はいつもは19時には終わるのに、この日は、15分くらいオーバー。『しじみ売り』が長かったんだ。

このときには、まあ来て良かったかな、家に帰っていたら、少しも笑いはしなかったろうし、等と。

大笑いはしなかったが、小笑いは出来た、自然と。

 

狙った直通電車に間に合わず、帰宅が深夜になってしまう。風呂を沸かして、小腹が空いたから残り飯でおにぎりを食べて、もうてっぺんを廻って寝ると、ありゃまあ、もうにぎわい座には行かないとも思ってしまう。

来月で、にぎわい座のサービス回が無くなる。来月でにぎわい座通いお終いかな。

どうしたらよかんべ。

今週は、一之輔の独演会が、新百合ヶ丘である。