11月1日(水) 国立能楽堂

基調講演 ロバート・キャンベル (日本文学研究者)

仕舞 『砧』・砧ノ段 (観世流 梅若会)

 シテ:梅若紀彰 地頭:山崎正道

(休憩)

座談会 司会 小林健二 (国文学研究資料館名誉教授)

    ロバート・キャンベル 梅若紀彰

 

国立能楽堂開場40周年記念特別シンポジウム。

能楽そのモノではないが、まあ能楽をどう楽しむか、ということだろうし、なんと言っても紀彰師が仕舞を舞われるので参加。

こんな学術的な会に参加するのも稀。

 

キャンベルさんの基調講演は、古典芸能である能の3つの要素を提示した。「別離」「距離」「待ち」。

確かに・・。

その上で、現下の情勢であるウクライナ問題に話題を持っていって、その3要素絡みで、現在のウクライナの人々の生の声を紹介する新著(訳書)の内容を講演。

そして、最後に『砧』に通じると。

なかなか眠気を誘う講演でしたが、内容的には納得的で、キャンベルさんの日本語能力に感嘆するとトモに、その感性に共感する。

 

そこで、舞台を片付けて、仕舞『砧』砧ノ段。

素晴らしい色紋付きを召された紀彰先生。登場だけで締まるし、シテ謡から始まって、素晴らしいと。今日の地謡メンバーは出来ている。

しばらく、ただ立ったままだけど、そのお姿が、立ったままでも、力があり、乱れない。

印象的な型が続いて、あれまあ、砧ノ段って、こんなだったけかな。紀彰先生のも拝見したことがあるはずなのに。

 

休憩後、座談会。

実は、この会場に向かうときも、紀彰先生どんなお話をされるんだろう、どうして紀彰先生が選ばれたんだろうと、ドキドキ。

先生のお話は、茶目っ気があって楽しいのだけど、座談会で、纏めるようなお話をされる先生ではないし。

杞憂でした。

座談会の最初は、キャンベルさんと小林さんの、小難しい話で、あれまあ大変だと思っていたが、紀彰先生に振られると、見所もグッと聞き入るような、為になるような話で、良かった、良かった。

見所のかなりの人数は、紀彰先生のお弟子さん達。皆様、同じような感じではなかったかしら。良かった、良かったと安堵。

 

最後は、こんな企画も悪くはないね、と思いながら、帰途。

『砧』習いたいな。謡も仕舞も。