1月7日(土) 国立能楽堂
能 『竹生島』 (宝生流)
シテ(漁翁 龍神)東川光夫 ツレ(女 弁才天)東川尚史 ワキ(臣下)舘田善博
アイ(社人)山下浩一郎
笛:藤田貴寬 小鼓:幸正佳 大鼓:佃良勝 太鼓:加藤洋輝 地頭:金森秀祥
面:前シテ「小尉」(洞白作) 後シテ「黒髭」(洞白作)
ツレ「小面」(伝 龍右衛門作)
(休憩)
狂言 『昆布柿』(和泉流 野村万蔵家)
シテ(丹波国の百姓)野村万禄 アド(淡路国の百姓)吉住講 小アド(奏者)小笠原由祠
2023年能楽鑑賞始め。
新年なので、能舞台に注連縄など。見所も晴れ着の御婦人も多く、あちこちでご挨拶。
『竹生島』2回目だけど、謡は最後まで習ったし、キリはワタクシが仕舞で舞った。ので、期待が大きかったのです。
初回は、2020年2月、能楽協会式能で喜多流。
謡も仕舞も、観世流梅若で習ったので、え~!こんなに違うの、というイメージで。
『竹生島』と言えば、大いに盛り上がって、ワクワクするんだったんでしょう。それが、それが・・
宝生流の謡や舞は、こんなに、よく言えば優雅なのだったか。
前場の謡は、もっと力強く。そんなに弱々しくないんじゃ。
名詞章「月 海上に浮かんでは 兎も波を走るか」。ここ大好きなんだけど。節付けが大人しいのです。
後場の後シテ龍神の舞働きは、もっともっと激しく、ピリッとするモンなんじゃ。
勿論、ワタクシが観世流梅若に染まりきっているからこう感じるのであって、宝生流を云々する資格などないのです。
でも、半分以上寝てしまった。本年初番なのに、楽しみにしていたのに。
梅若紀彰師がシテだったら、どんなに良かったか、前シテも後シテも登場シーンから絶対に素晴らしかったはず、なんて考えてしまう。
狂言『昆布柿』、初めて。
年貢を納めに来た二人の、別国のお百姓。たまたま同道した上に、たまたま同じ奏者に当たる。上頭に所望されて、歌を作る。これがなかなかうまく行って、褒美も貰う。
名前を問われて答えるが、これが二人とも珍妙な。その名を名乗るに、奏者が拍子をつけて、それに合わせて名前を答える。さらに、例の狂言拍子で、舞、謡って名乗る。
何だか良くわからない、ただただおめでたいという狂言曲。お正月だから良いのだ。
眠るかと思っていたら、寝なかった。
というわけで、新年初回は、やや消化不良。
今月の予定は、後、観世流の『東北』のみ。狂言は萬斎の『隠狸』。楽しみにしましょう。
やはり、梅若会の定式に通った方が、精神安定上良さそう。紀彰師のシテを期待して。