12月27日(火) 横浜能楽堂第2舞台
<連吟>
『高砂』 紀彰師お弟子のゲスト 2名
『菊慈童』 紀彩の会メンバー6名
<仕舞>
『敦盛』クセ 紀彰師お弟子のゲスト出演者
地謡:梅若紀彰 土田英貴 内藤連
『草子洗い』 同
『大江山』 同
『杜若』クセ 同
『富士太鼓』 同
『紅葉狩』 同
(休憩)
<仕舞>
『清経』クセ 紀彩の会 F氏
『蝉丸』 紀彩の会 T嬢
『雲林院』 紀彩の会 N氏
『杜若』キリ 紀彩の会 自称高等遊民
『松風』 紀彩の会 O嬢
『天鼓』 紀彩の会 O氏
地謡:梅若紀彰 土田英貴 内藤連
<番外>
横笛3曲 紀彩の会N氏
仕舞 『砧』特別バージョン 紀彰師
一管 『獅子舞』 笛:紀彩の会N氏 舞:紀彰師
発足当初から紀彩の会のメンバーであったN氏が、自らの横笛研究を集大成的に纏め、南アジア方面にフィールドワークにも出かける予定のため、まことに残念ながら、年末で紀彩の会を退会し、つまり、紀彰先生を師とする謡と仕舞のお稽古を辞められるというので、年末でもあるし、調度仕舞の稽古なども一区切りがつく時期でもあったので、紀彩の会の『御稽古会』をやろうじゃないかと、紀彰師のお許しと指導を得て、この『御稽古会』を催すこととなったのでした。
紀彩の会だけのメンバーで、通常のお稽古日に、お着物など着て、ちょっと区切りのつもりもあったのだけど、紀彰先生のご指導と、N氏の人徳によって、6名のお弟子ゲスト出演者の参加も得られて、大変に楽しい「お稽古会」になったのでした。
スタートの連吟『高砂』は、ホントに当日になって伝えられたサプライズで、勿論紀彰先生の許可と指導の下、もと紀彩の会のメンバー2名によって、N氏の門出を祝う連吟『高砂』。
予定された連吟『菊慈童』。ワタクシは、緊張のあまり詞章の一部を謡い間違えてしまい、こんなことはお稽古時にもなかったことなので、我ながらビックリだけど、ゴメンナサイ。
ゲストによる仕舞6曲。
いずれも、顔は見知っている紀彰師お弟子の中でも熟達の方々の仕舞。お上手。
『杜若』クセは、ワタクシのキリより、数倍長くて、舞手もお上手な方なので、じっくり鑑賞させて頂いた。クセとキリでもあって、今度お稽古して頂こうかなと思っていたが、ワタクシには無理。もともと紀彰師は、『杜若』のキリをお稽古題材にしていて、クセは無理だと判断なされたのでした。
『紅葉狩』も、ごく初期に習った部分だけではなく、ホントにちゃんとした『紅葉狩』。ホントはこうなんだ、初心者が初めに習うだけではなく、それなりに経験を積んだ方が舞う仕舞だったんだ。
我が紀彩の会のメンバーによる仕舞6曲。
これは、毎回のお稽古で見慣れている。が、皆さん、お稽古時より遙かに出来が良い。
ワタクシも、色紋付きなぞ召し込んでいったので、みっともないことは出来ないとは覚悟していて、前日から緊張に包まれていたが、何度も何度も注意された箇所は、ああ出来た、というビックリ。
あとで、映像を見てみましょう。
やはり、かような小規模お稽古会であっても、他人様が観ていたり、梅若会の玄人が地謡でいたりすると、良い意味で緊張感が出て、良い結果を生むのですね。
番外として、当初予定されていた紀彰師の仕舞の前に、紀彩の会の中では、このほど退会されるN氏に、名人級の横笛を吹いて頂こうということになっていた。
N氏は、もとはフルート奏者で、交響楽団の首席まで務められた方。考えあって、民族的な横笛の研究をされてきていた。著書も多数。最近まで大学の教授でもあられた。能管としてはプロではないが、横笛はプロ。
開始前に、紀彰先生の許可を得て、N氏の横笛3曲。
ブラボー。
紀彰師の番外仕舞は、特別バージョン。梅若会の歴史を感じさせる音源をお持ちになって、舞台を薄暗くする演出もされて、他では観ることの出来ない仕舞『砧』。素晴らしい。
最後に、これも突然の要望を受け入れてくださって、N氏の横笛と紀彰師の舞による、『石橋』中の獅子舞。
始まる前に、何やらお二人で打ち合わせをしていただけで、出来てしまうのでした。
年末の、N氏の送別会、歓送会の『御稽古会』。素晴らしく楽しいモノでした。
お稽古は、かように、楽しいモノじゃなくちゃならない。だから続けられる。
梅若紀彰師の人徳と、教育方法の成功に基づくモノと、我等お弟子としては感謝、感謝。
これにて、2022年の能楽関連は、打ち止め~。