11月24日(木) 国立能楽堂
『聖徳太子絵伝絵解き』
真宗大谷派 井波別院瑞泉寺 竹部俊恵
(休憩)
能 『夢殿』 (喜多流)
シテ(老人 聖徳太子)友枝昭世 ワキ(旅僧)森常好 アイ(門前ノ者)山本則重
笛:一噌幸弘 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:白坂保行 太鼓:大川典良
地頭:香川靖嗣
面:前シテ「小尉」 後シテ「太子」
真宗たって良くわからないでしょ。浄土真宗です。その中にいくつかある派の一つが、大谷派。東本願寺だそうです。
そんなのが、『聖徳太子絵伝の絵解き』を聞いても、わからない。でも知らないのはワタクシだけかも知れないし、真剣に仏教をやっている人、昔々の人はキチンと理解していたのでしょう。
それが前提のお能や狂言など幾つもある。南無阿弥陀仏と、南無法蓮華教の違いくらいしかわからない。
色々ありがたい(らしい)お話をしていただいた。今回の企画公演が、◎聖徳太子一四〇〇年遠忌によせて、なので、当然聖徳太子にまつわるお話。
どうも、世俗に紛れたワタクシには、不明。竹部さんが「お太子様」と言うと、弘法大師空海をまず浮かべてしまうって、話が通じなくなる有様。
一度、そのお寺、瑞泉寺に行ってみたいとは思ったが。
今回は、『夢殿』。初めてだけど、今月は国立能楽堂行かなかったし、シテ方が人間国宝友枝昭世なので、まあ参加しようと。
事前学習で、「夢殿」と言えば、「法隆寺」、「聖徳太子」という繋がりが誤りでなかったと知る。
土岐善麿という有名な方の新作能。喜多流第15世宗家喜多実師と協力して、いくつか新作能を作ったうちの傑作で、今や、喜多流のレパートリーだそう。その喜多流の人間国宝がシテを務めるのです。本筋でしょう。
前場は聖徳太子の数々の業績や伝説が、ほとんど居語りで。詞章を見ないとわからない。
装束は、尉の面に、水衣、首から袈裟を掛けている。袈裟と言っても、袋付き。まあ要するに俗体か僧体か不明ということ。
間狂言を経て、後場は、クセ舞から、早舞、キリの舞と続く。
この装束は、太子という専用面、紅の袴、白い綺麗な水衣。美しい太子の姿。特殊な髷を被っている。
この早舞が素晴らしかった。品良く、軽快に。橋掛かりもたっぷり使って、大変に素晴らしい舞。さすがの友枝昭世で、久しぶりに、舞を観て、ブルッとした。軽々と、型をきちっと決める。
この舞は一見の価値ありでした。