1月9日(日) 横浜能楽堂

狂言組 (和泉流 野村万蔵家)

お話し 野村万之丞

『柑子』

  シテ(太郎冠者)野村万蔵 アド(主)石井康太

(休憩)

『悪太郎』

  シテ(悪太郎)野村万禄 アド(伯父)小笠原由祠 小アド(出家)野村万之丞

 

新年初の横浜能楽堂。紅葉坂を登るのも初めて。昨年12月12日の横浜狂言堂以来。ああ、12月は16日と21日にお稽古で横浜能楽堂第2舞台には行っているから、本舞台公演として約一ヶ月ぶりか。

 

お話しの野村万之丞。通常通りのお話しの後、常ならば狂言笑いを一緒にやるところ、コロナなので、と、小歌『若松』を。

地謡はどうするかと思ったら、一人で謡って、舞っていた。狂言方の舞も好きだな。

 

『柑子』と『悪太郎』。昨年5月8日、横浜能楽堂での「第21回よこはま万作萬斎の会」で、『柑子』のシテ万作、『悪太郎』のシテ萬斎で観ている。組み合わせも同じで、同じ和泉流。お家の違いだけ。だからか、そんなに違いは意識できなかった。

 

『柑子』は、3つの実が付いた珍しい柑子の枝を、アド主がシテ太郎冠者に持たせていたが、3つともシテ太郎冠者が食べてしまった、その言い訳の劇。

三つ目の言い訳が、三人で流されたのに一人取り残される俊寛と、平清盛の六波羅にかけて、「ろく腹(六波羅)に納めてしまいました、のオチ。多分、六波羅の清盛の腹一つ、ということか。

さすがの万蔵の堂々とした演技と、やや緊張したか石井惣太さんの演技。でも、キチンとできていました。

 

『悪太郎』。ストーリーは、前回のブログに詳しい。記録上3回目で、いずれも和泉流。

これも、なかなか理解困難な狂言の一つ。どうしてあんなに前半の悪太郎と後半が豹変するのだろうか。シテ悪太郎は、ホントは善人なのかな。夢のお告げをそんなに深く信じ込むのはどうしてかな。など、等、難しい。

お話しの万之丞さんは、ただ楽しんでくれ、とおっしゃっていたが、そう単純には行かない。心理劇とは何か。

東次郎先生、解説して頂けないかな。東次郎さんの本にも、万作さんの本にも、この『悪太郎』の解説は載っていない。

 

2022年4月から2023年3月までの、12回の横浜狂言堂公演のラインアップ内容が開示された。

また、来年度も全部行くのでしょう。ざっと演目を見た感じでも、観たことがないのが1~2曲あるし。

狂言も、大分見巧者に近づいてはいると自覚するし、元気な内は。