12月15日(火) 横浜にぎわい座
開口一番 三遊亭しゅりけん 『子ほめ』
三遊亭兼太朗 『五目講釈』
『紋三郎稲荷』
(仲入)
ゲスト 江戸家子猫 動物ものまね
『富久』
今年は、これで最後のにぎわい座。寒い日。
兼好は、好きな噺家で、もっと聞いていると思ったが、ブログを調べてみたらば、去年6月に第30回の横浜ひとり会に来て以来だった。31回は、何かの予定と重なって来られなかったのだろうね。ブログを書いていたからわかる情報。
三遊亭では、一番面白いんじゃないかと思っていて、機会があれば聞くつもりになっている。
開口一番は、やはり下手ばかり。我慢しなくちゃ行けない。何だか、早口で解らず。『子ほめ』だったかしら、という程度。
一番弟子だという兼太朗。一体何の噺をするのかしら、と聞き耳を立てていたが、講釈、講談の噺。色々、講釈風に、様々な話題に飛んで、含んで、講談風に。新作落語でした。
まあ、よっぽど兼太朗は講談がお好きなのね、どっちかと言えば、落語家じゃなくて講釈師になったら、という感想。ただ、現在は、神田伯山という巨星がいるから、このまま落語かかな。新作講談を語る講釈師になっても良いんじゃないかな。
待ってましたの兼好。コロナのことやら、鳥インフルエンザでの殺処分で、人間で良かったとか、トリさんが可哀想だとか、のマクラで湧かせて。
さて、都会には狸が多いと、狐はそれに比べて少ないと、振りながら、『紋三郎稲荷』へ。確か、一度しか聞いたことがない噺だけど、誰だったか思い出せぬ。風邪を引いて、寒いので、狐の胴巻きを貸して貰って、松戸に帰る時に、駕籠屋に尻尾を見られて、その気になってお狐様だと騙し通して、笠間稲荷を信心している宿に泊まって歓待を受け、最後は、そっと逃げる噺。その宿の稲荷さんの狐から、人間は巧く騙すねえ、というオチ。
駕籠屋が、えっほ、えっほと掛け声を掛けながら、段々とお狐様ではないかと、思い始める様子がおかしい。
なかなかの、大作だけど、仲入前で演ってしまうんだ。
仲入後は、何度も観ている江戸家子猫の動物ものまね。段々上手になってきているか。どうやら、動物園に通って鳴き声をじっくりと聞いて、物真似するらしい。これも精進だね。江戸家伝来の芸は、鶯だけらしく、後は実力で獲得だね。
あまり期待していなかったけど、面白かった。
トリは、これも大ネタの『富久』。もう20時40分頃になっちゃっていたから、どうかなと思ったが、しっかりと。酒を飲む仕草が、美味しそうで、好きそうで、絶品です。ダンナと失敗して、出入り禁止となって、富を買うが、大明神様に捧げる時に、お供えの酒を飲んでしまう。その様子のおかしさ。ここを、重点にすれば、後の流れが良い。時間がかかるけど。
火事場に近い芝のダンナの家で、またまた、飲んでしまう。おでんも食べて、すっかり良い気持ち。酒が止められない。ここでは、寝かしつけられて失敗はしない。
自宅が燃えてしまって、千両当たったくじを燃やしてしまったと落胆するが、売った売人と値引き交渉。ここを時間を掛ける噺家も多い。最後は、大明神を救い出してくれた頭領に感謝しつつ、町内のお祓いに使うというオチ。
酒飲みに重点を置いた『富久』。確か、NHKのドラマで、有名になったかな。
2本大ネタを口演して、開口一番、1番弟子、ゲストと盛りだくさんで、21時30分頃の終了になってしまう。時間が長いのは良いけど、それならば、18時開始にならないかねえ。帰りが深夜になってしまって。
でも、年内最後のにぎわい座落語会で、やや気分は上昇。