12月10日(金) 川崎市麻生市民館
開口一番 立川志の麿 『つる』
立川志の春 『初天神』
『ディアファミリー』
(仲入)
バイオリン漫談 マグナム小林
『井戸の茶碗』
10月の町田市民ホールに引き続いて、立川志の輔独演会。これも、コロナで延期、延期でやっと開催できたらしい。
まだ市松模様の座席は、販売時点での規制。
開口一番は、何番め弟子かの人。噺家とか落語家とは言えない。最近、前座ばなしで『つる』が多いのはどうしてかな。みんな、つまらん。ちょっとイラついていた気持ちがあったので、更にイライラして、眠るどころではない。じっと目をつぶって、終わるのを、つまらない、下手な噺が終わるのを耐えて待つだけ。
さて志の輔か、と思ったらば、4月に真打ちに昇進したばかりの志の春。コロナで、真打ち披露興業が出来ず、耐える日々だったらしい。
全然待ってましたではない、登場で、こっちもずっこけ。そういえば、10月の町田市民ホールも、前座の後に、もう一人話したなあ、と。志の輔は、こういうスタイルか。事前発表もしないんだもん。
噺は『初天神』だけど、もう一つ面白くないよね。新人の真打ちだからかな。でも丁度19時ピタリに終わって下がった。途中で勝手放題に切り上げて。良く、それなりに終わりにできたモノだ。
志の輔登場。腰が痛いんだろうね。高座に上がる時に、苦しそう。
レジ袋が禁止された話をマクラにして、どこから本題演目なのかわからないが、家族がお祝いにクラッカーを鳴らす、という場面に突入。新作落語なのだね。『ディアファミリー』だって。
お父さんが、勤続30年のお祝いに、社長から鹿の頭の剥製を自宅に送られてきて、どこにしまおうか、押し入れの中には妻やこどものモノばかりが詰め込んであって、鹿の頭を入れる場所がない、つまり30年も働いてきたお父さんの居場所が自宅にはない、不要なモノ、不要な人か、という噺。
それでレジ袋に繋がるのね。なんだか、滑稽な風景の噺。
30年働いて、家族には一応お祝いされて、お疲れ様でした、と。さて、ボクの時はどうだったんでしょうか。とても思い出したくもない時期でしたね。30年で一区切りつけて、35年も働いたのにね。
最後は、宅急便がもう一つ持ってきて、鹿の胴体でした、というオチ。志の輔は、こういう新作落語もあるんだ。
お仲入の後、どういう訳か、バイオリン漫談。これも聞いてないよお。寄席の色物ならばともかく、独演会には不要だと思うけど。大して面白くないし、とにかくこっちは志の輔を聴きに来ているんだから。独演会。
最後は『井戸の茶碗』。導入部は、結構纏めてしまって、どんどん飛ばしていく。しかし、さすがの志の輔。キチンと笑わせてくれる。知った、誰でも知っている演目なんだけど。ご浪人と、高木氏の間を行き来する屑屋の悲しさ、おかしさが良く出ていて、笑えた、と同時に何だか、哀感のようなモノも出ていて、じっくりと。
茶碗を300両で買い上げる細川の殿様をバカっぽくしたのと、150両と引き換える浪人の娘を、わざわざ13歳と発表して、初めから嫁入りとせずに屋敷奉公にしたのは、どうしてか。13歳なんてのは、初めて聞くし。17~18歳でも良いじゃん。150両が結納金、という流れが壊れちゃうじゃないのですか。
終わりかと思ったら、客席が明るくならず、幕が再び上がって、志の春と二人が高座に。真打ち披露だ。ホントならば、一門の誰か重鎮がお祝い口上して、師匠と新真打ちは頭を下げっぱなしなのだけど、立川流だし、志の輔がお祝い、紹介して、三本締め。
こういうのは初体験で、それなりに。
今日は、始まりからイラついていて、ダメな日かなと思っていたが、志の輔落語で、嫌なことは忘れられて、楽しく時間を過ごせました。
いつもならば、翌日にブログを書くのだけど、飲まなかったこともあって、その日のうちに書いてしまう。