9月18日(金) 国立能楽堂
狂言 『菊の花』 (和泉流 狂言共同社)
シテ(太郎冠者)佐藤友彦 アド(主)今枝郁雄
(休憩)25分も
能 『天鼓』 (金剛流)
シテ(王伯 天鼓の亡霊)豊嶋彌左衞門 ワキ(勅使)福王茂十郎 アイ(勅使の使者)井上松次郎
笛:松田弘之 小鼓:幸正昭 大鼓:國川純 太鼓:吉谷潔 地頭:松野恭憲
面:前シテ・三光尉(古元休 作) 後シテ・童子(友閑 作)
狂言『菊の花』は初めて。大藏流では『茫々頭』というらしい。
物語は、アド主に黙って京見物に出かけたシテ太郎冠者に対して、最初は怒るが京の話を聞かせろとなって、色々話すが、太郎冠者は田舎者として馬鹿にされていた、というモノ。
役者の2人が、お年寄りで声がよく出ていない上に、席がGB席で尚更聞きにくい。で、途中から寝てしまった。従って、「オチ」はわからないまま、終了。
能「天鼓」も初めて。唐のお話で、前シテ王伯と王母の夫婦に、天鼓という子がいて、妊娠中に天から鼓が落ちてくる夢を見たからその名を付ける。実際に鼓も落ちてくるが、天鼓がその鼓をたたくと、素晴らしいというので、帝がそれを取り上げて、天鼓も殺してしまう。すると鼓も鳴らなくなる。帝は父親の前シテ王伯を呼び出して、打たせると、良い音。喜んだ帝は、天鼓を弔う管弦講を催すと、後シテ天鼓の亡霊が出てきて、鼓をたたいて、舞うというモノ。
まあ、それらしいお話しだけど、出来は良くなくて、興味は引かない。単純に面白くない。
その上、申し訳ないけど、金剛流の今回は、あまりお上手とは言えない。前シテ王伯や後シテ天鼓の亡霊が丁度小鼓が打たなくてはいけないのではないかな。ズレてたし。
シテの豊嶋さん、1939年生まれと言うことは81歳かな。お年寄りすぎて、よろよろと。前場の、打ちひしがれた前シテ王伯には相応しいけど、後シテ天鼓の亡霊は無理なんじゃないのかな。もっとはつらつと、喜びに満ちて舞わなくちゃならないのに、ふらふらと。一畳台の上で、立ち上がる時に尻餅。後場では、拍を踏む舞が多いのだけど、小鼓と合わない上に、音が小さい。声も小さい。
小鼓方が、幸清次朗から、幸正昭に交替になっていたのは、何か関係するか。
ワキ方はしっかりと。アイは若手らしくはっきりした良い声で。
金剛流のシテ方が、全体的に元気がないというか、気迫が感じられない。金剛流が悪いのか、シテの豊嶋さんが悪いのか。
眠りはしなかったけど、チト残念な能会でした。
でも、金剛流の面は、素晴らしいモノだね。