9月16日(水) MOVIX橋本
平成19年10月歌舞伎座公演収録
原作 三遊亭圓朝
出演 伴蔵:片岡仁左衛門 その妻お峰:坂東玉三郎
新三郎:片岡愛之助 露:中村七之助 米:2世中村吉之丞
圓朝その他:坂東三津五郎
ご存じ、三遊亭圓朝作の、怪談話「牡丹燈籠」の歌舞伎版。原作は江戸末期作で、歌舞伎版は明治25年作らしい。
ボクなんぞは、牡丹燈籠と言えば、カランコロンという下駄の音と共に現れるお露とその侍女お米の幽霊が、一目惚れした新三郎に取り憑いて、取り殺されてしまうと言う物語を知っているだけだ。
その前の、新三郎とお露の出会い、恋狂い死、幽霊を防ぐお札と金製の阿弥陀如来、新三郎の下僕である伴蔵とお峰の裏切り、という辺りだけだが、本編は、出会いは割愛して、幽霊との戦いの辺りはさらっと、その後の人間の業を中心にしたか。
歌舞伎とは言うが、まあ、新作なので、歌舞伎らしい所作はほとんどない。終了間際の伴蔵・片岡仁左衛門と峰・坂東玉三郎の型を決めたくらいか。玉三郎も、庶民の年増役で、幽遠な美女だとか、美しい舞などは無い。玉三郎である必要はあったのか。
吉之丞が、年寄り女の振りをするのは、さすが歌舞伎役者と思った。肩の落ち具合、手つきなどに、年増色を十分に出し切る。
印象だけど、歌舞伎としては中途半端、怪談話としても中途半端、2幕155分が長く感じられた。
一般的な役者の劇としては、上手だけどね。
伴蔵夫婦、もう一組の夫婦の金の絡んだ愛憎物語、殺人事件か。